2022年3月、私は5年間通った大学を卒業しました。新型コロナワクチンの接種率が高まってたとはいえ、連日感染者数の増加が報道されている時期でした。
感染対策として最も効果的なのは外出しないことですが、最後の春休みということで、感染対策をしっかり行いながら卒業旅行を彼女とすることにしました。
新型コロナの状況は日々変化しているので、最新の情報は政府や医療機関のホームページなどで確認しましょう。
この記事は、2023年5月8日に更新されています。
コロナ禍の卒業旅行は「三重県」に決定!
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卒業旅行の行き先として私たちが選んだのは三重県です。
その理由としては、東京から新幹線で行ける範囲であること、時間がないと観光しにくい地域であること、食べ歩きできる場所があることが挙げられます。
飛行機を利用していく地域への旅行も最初は検討しましたが、新型コロナの状況を考慮すると新幹線のみで行ける地域に絞ろうという考えに至りました。
三重県は近畿地方に位置し、なかでも伊勢神宮、伊勢志摩、スペイン村は誰でも一度は耳にしたことがあるのではないいでしょうか?
2016年には先進国首脳が集まるG7伊勢志摩サミットが開催されたました。連日テレビ番組で放送されていたのを今でも鮮明に記憶しています。
参照:伊勢志摩サミット開幕 G7首脳 伊勢神宮を訪問(16/05/26)
三重県は新幹線の駅と空港の両方がない数少ない都道府県の一つです。2022年4月現在、他にこの条件に当てはまるのは山梨県、奈良県、福井県のみです。
東京から名古屋まで新幹線で行き、名古屋から三重までは交通費を安く抑えるために特急ではなく在来線を利用して行きました。新幹線と在来線合わせて片道¥15,000ほどでした。
この経路だと時間はかかってしまいますが、移動距離の割には安く済ませることができました。
帰りは三重県の滞在時間を長く取るのと交通費をさらに削減する目的で夜行バスを利用しました。料金は¥8,000ほどでした。
三重県のおすすめスポット5選
2泊3日で観光した場所の中で、特におすすめのスポットを5カ所紹介します。
(三重県のおすすめスポット)
- 鳥羽水族館
- 天空のポスト
- 伊勢神宮
- おかげ横丁
- 相差かまど「おぜごさん」
次の章からはそれぞれの特徴や楽しみ方について綴るので、気になる目次だけでも参考にしていただけると幸いです。
国内で唯一ジュゴンが見れる「鳥羽水族館」

三重県に到着してまず訪れたのが鳥羽水族館です。
三重県鳥羽市にある1955年に開業した水族館で、日本で初めてラッコ赤ちゃんの誕生、ジュゴンの長期飼育を行うなど歴史を塗り替えてきました。
参照:【鳥羽水族館】へんな海の生き物数日本一!!!可愛い♡面白い!!怖い?!海の生物に出会えます!!!
現在では「日本で唯一ジュゴンを飼育する水族館」をキャッチフレーズの一つにしていることに加え、日本で4頭しかいないラッコのうち2匹が飼育されています。
2011年には飼育生物の種類が1,000種類を超え、その後もより多くの種類の水棲生物を見ることができるようになっています。
圧倒的スケールの巨大水槽
館内に入るとすぐに大水槽が現れます。水槽上部からは自然光が差し込み、暗めに設定された室内の照明と相俟って海中であるかのように演出されています。
2022年には、2年ぶりにこの水槽内で新入社員の入社式が行われたことで話題となりました。
他の観光客の方が少なければ、この巨大水槽を独占して写真撮影をすることができます。上の写真は彼女に撮影してもらったものです。
ただ、時期によっては修学旅行生や一般の方が多く訪れるので、写真撮影をする際は周りの迷惑にならないように心掛けましょう。
日本で唯一飼育されている「ジュゴン」
ジュゴンは人魚のモデルになった生物と言われており、過去の乱獲の影響で現在はインド洋と太平洋の一部、日本では沖縄付近の海にも数は非常に少ないながら棲息していることが判明しています。
公式のキャッチフレーズにあるように、日本でジュゴンを見ることができるのは鳥羽水族館だけです。
近くで優雅に泳いでいるのを見ると体の大きさに驚きました。飼育されているセレナちゃんのんびりとした表情が日々の煩悩を忘れさせてくれました。
IUCN「国際自然保護連合」の絶滅危惧レッドリストに指定されていて、個体数は減少傾向の一途を辿っています。
人間の活動で地球上から生物種が減ってしまうのは非常に悲しいことです。私たちにできることは少ないかも知れませんが、このような状況を知ることが大切だと感じました。
日本に4頭しかいないうち2匹の「ラッコ」
国内で飼育されているラッコの数は年々減少し、ピーク時の122頭から2022年4月現在では4頭だけになってしまいました。
そのうちの2頭飼育されているのが鳥羽水族館で、複数個体を同時に見れるのは日本でここだけです。メイちゃんとキラちゃんはSNSなどを通して人気となり、今では水族館の代表的な存在です。
石を持ちながらプカプカと浮かぶ姿を想像していましたが、早いスピードで元気に水槽内を泳ぎ回っていました。
毛皮製造のために乱獲されたことや原油タンカー座礁の影響で自然に棲息するラッコが激減し、国際自然保護連合は2000年にラッコを絶滅危惧種に指定しました。
その結果、ラッコの輸出入が原則禁止となり、日本国内で個体数を維持するには繁殖させるしか方法がなくなりましたが、繁殖能力の低下などが理由でその数は減少の一途を辿ってきました。
参照:《鳥羽水族館》 ラッコのメイの放水訓練とズブ濡れの飼育員
鳥羽水族館の公式YouTubeでは、ラッコ以外にも様々な動物たちの動画が公開されています。
少しでも興味の湧いたは、メイちゃんとキラちゃんが元気な間に足を運んでみましょう。
晴天の日にインスタ映え間違いなし「天空のポスト」
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Instagramの投稿で有名になった通称天空のポストです。
伊勢志摩スカイライン展望台に設置されており、装飾品ではなく実際に郵便物の集荷が行われている現役のポストです。
特別な手紙などをここに投函することもできるよ!
標高が高い場所にあるのも珍しいですが、現代では丸型のポストを見る機会が減ってしまいました。丸みを帯びたポストは自然に溶け込み、青空の下で真っ赤な色が際立っています。
天空のポストは有料道路にあるため、車かバイクでしか行くことができません。私はレンタカーを利用して行きましたが、参宮バスを利用してアクセスすることも可能です。
展望台には小さな売店があり、お土産が販売されていました。
朝熊山頂売店より再入荷のご案内です。
お待たせ致しました。
好評につき売り切れてました外宮奉納ディニッシュ食パン入荷しました!#伊勢志摩スカイライン#天空のポスト pic.twitter.com/Hutn2MJKnP— 伊勢志摩スカイライン (@iseshimaskyline) September 20, 2021
インスタ映え間違いなしのスポットですが、風景写真なのでその日の天気に左右されます。青空の下で綺麗な写真を撮りたい方は、事前に天気予報を確認して行きましょう。
山は天気が変わりやすいので、晴れた日の早朝に行くのがベストかと思います。
圧倒的な知名度を誇る「伊勢神宮」
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言わずと知れた三重県の観光名所、伊勢神宮です。
日本書紀に記載された「出雲大神宮」「石神神社」に並び、日本三大神宮の一つに数えられています。正式名称は「神宮」といい、地元に人からは「お伊勢さん」の愛称で親しまれているようです。
内宮と外宮を合わせた緑豊かな広大な敷地は日本最大の聖域で、五穀豊穣をはじめとした年間行事は1,000回以上行われています。
伊勢神宮には正式な参拝方法が存在し、時間のある際は本格的にお参りをするのも風流です。
参照:【解説】伊勢神宮参拝の仕方
春休みシーズンのため多くの観光客で賑割っていましたが、敷地内は広々としていて人混みを感じず快適に移動することができました。
歴史的建造物に興味のない方であっても、伊勢神宮の壮大なスケールと豊かな自然を楽しめ、三重県を訪れる際は外せないスポットの一つです。
内宮と外宮間はバスで移動することができます。

その他にもバスで移動する予定があるのであれば、伊勢鳥羽みちくさ切符がお得でした。定額で一日乗り放題なため切符を何度も購入する手間が省け、移動費を安く抑えることができます。
食べ歩きに最適な歴史を感じる「おかげ横丁」
江戸字時代から続く「お陰参り」に伴って栄えていた鳥居前町の様子を再現してつくられたのがおかげ横丁です。
4,000坪の敷地内には伊勢志摩で人気のグルメやお土産を販売するお店が立ち並びます。宇治橋から五十鈴川までの通りは「おはらい町」と呼ばれ、おかげ横丁とともに観光地として人気の場所です。
伊勢神宮の目の前にあるためアクセスが良く、バスを利用して三重県各地から訪れやすい場所です。
情緒漂う佇まいお店が軒を連ね、様々な方向から美味しそうな香りが鼻を刺激します。Instagramやネット検索で人気のお店が簡単に調べられるので、口コミを活用しながら好みに合った最適なお店選びをしましょう。
歩くのに疲れたら、穏やかな流れの五十鈴川を眺めながらカフェで休憩しましょう。
赤福本店「赤福」
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伊勢を訪れたらぜひ食べておきたい名物の一つが赤福です。
赤福はお餅の上に漉餡を乗せたお菓子で、独特な形は近くを流れる五十鈴川のせせらぎを表現しています。

こちらの店舗では縁側や座敷で寛ぎながら赤福をいただけるので小休憩にも最適です。人気店かつ席数があまり多くないので、観光シーズンは混雑が予想されます。
内容は赤福二つにほうじ茶が付いて¥250なので、お手頃価格で食べることができます。
甘す過ぎず温かいほうじ茶との相性が抜群で、小さなお子さんからご高齢の方まで美味しくいただける一品でした。
ふくすけ伊勢内宮前「月見伊勢うどん」
参照:ふくすけ
伊勢うどんは三重県伊勢市を中心に食べれているうどんで、太い麺をタレに絡めていただくのが特徴です。
「ふくすけ」はおかげ横丁の中心に構えており、モチモチ食感の太麺と出汁の効いた自家製ダレで人気のお店です。

私は月見伊勢うどんを注文しました。食べ歩きをした後に立ち寄りましたが、濃厚ながら後味はさっぱりとしているので食べやすく美味しくいただけました。
数量限定で職人による手打ち麺が販売されていますが、正午過ぎに訪れると既に完売でした。
五十鈴川カフェ「抹茶ティラミス」
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五十鈴川カフェは「おはらい町」から少し外れたその名の通り川沿いに位置します。
五十鈴川を眺めながらこだわりのコーヒーとケーキなのどお菓子をいただくことができます。歩き疲れてしまった後にゆったり過ごしたり、静かな場所で会話をした方にぴったりのお店です。

私は抹茶ティラミスを注文しました。引き立てのコーヒーは芳醇な香りがし、甘いケーキによく合います。
メニューを撮り忘れてしまったので、引用した画像を掲載しておきます。

海女さんが目の前で海鮮を焼いてくれる 相差かまど「おぜごさん」
参照:伊勢志摩 海女小屋 相差かまど 海鮮焼き
三重県相差町にある、海女さんのお話を聞きながら新鮮な海鮮物をいただける体験型の施設です。
現役の海女さんが漁やその日獲れた魚介について説明してくれ、目の前の炭火で焼いてくれます。漁港に近い「前の浜」と山沿いにポツンと建てられた「おぜごさん」の二つの施設があります。

私たちは「おぜごさん」を選択しました。辿り着くまでに断崖絶壁を歩き、情緒漂う古屋からは伊勢湾を見渡せます。
こちらの施設は通電していないので冷暖房はありませんが、春や秋など気温がちょうどいい季節におすすめのロケーションです。
牡蠣や栄螺に加え、雲丹の入った炊き込みご飯や出汁の効いた味噌汁が絶品でした。
海女さんが漁の話を聞かせてくれ、潜水時間は長くて20秒程度など私たちが抱くイメージとは異なる部分があり、日常で触れられない貴重な体験をすることができました。
ここでしかできない「三重県ならではの体験がしたい」と考えている方に最適なプランです。
旅荘「海の蝶」|全室オーシャンビューの客室
参照:動画でみる海の蝶
三重観光の拠点として選んだのが旅荘「海の蝶」です。鳥羽市の池の浦岬に位置し、全室オーシャンビューの客室が用意されています。
鳥羽水族館から無料の送迎バスが出ているので、車がない方でも宿泊しやすい体制が整えられています。
チェックイン後は係の方がお部屋まで荷物を運んでくださり、旅館の利用方法について簡単な説明を受けます。
一通り説明が終わると、ウェルカムドリンクとしてめかぶ茶を淹れていただきました。

お部屋に用意されていたお茶菓子と一緒にいただき、まずは一息つきました。
めかぶ茶は一度しか到着時の一回しか飲めませんが、アメニティとして緑茶のパックが常備されています。
壁には美しい水仙の花が生けてあり、繊細な和の雰囲気を感じることができました。
家族4人でもゆったり過ごせる「広縁」
私たちが宿泊したのはスーペリアルームというグレードのお部屋です。
和室、広縁の大きな部屋が二つあり、伊勢湾を見渡せる客室露天風呂が完備されています。
中央には4人掛けのテーブルがあり、壁にはテレビが設置されています。夕食後はお酒やおつまみを片手にテレビ番組を見ながら彼女と過ごしました。
大きな窓から日光が差し込む「和室」
続いては和室の紹介です。大きな窓からは紺碧の伊勢湾を見ることができます。
広々とした和室は旅館らしさを前面に感じられるため、どこか懐かしく落ち着いた気分になります。こちらの和室は寝室を兼ねており、夕食時に係の方が敷布団を用意してくれます。
大人二人分のスペースを確保した上でも荷物などを置く十分な広さがあり、快適に過ごすことができました。
伊勢湾を一望できる「客室露天風呂」
このお部屋の最大の魅力は、何と言っても客室露天風呂です。
木製の浴槽に浸かりながら、伊勢湾を眺めて体の芯まで温められる特別なロケーションです。
浴室の前に洗い場が設けられており、大浴場に行かずとも温泉を満喫できます。
湯加減はちょうどいい温度だったよ〜
個人的なお勧めの時間帯は、太陽が登る早朝です。澄んだ青空と伊勢湾の碧を同時に見渡せ、家族や恋人と絶景を誰にも邪魔されず心まで眺めていられます。
温泉は常に掛け流し状態で、お湯を張るなど手間の掛かる準備は不要です。
夕食|伊勢海老の会席と松阪牛の特上寿司

夕食は伊勢海老や鮑をはじめとした特産品が並び、「地産美味」の考えに基づいて素材の味を最大限に活かした料理を堪能できます。
季節の海産物とメインには特産品の伊勢海老を使った会席料理です。こちらのプランは個室で料理が提供されるため、他の人の視線を気にせず会話を楽しみながら料理をいただけます。
写真は刺身の盛り合わせで、伊勢海老はこの後に提供される味噌汁の出汁としても利用されています。

連泊で夕食のメニューが被ってしまうため、旅館のご厚意で料金はそのままで寿司会席に変更していただきました。
伊勢海老と松阪牛の両方を一度に食べられ、他のネタも新鮮で水々しくツンと薫る山葵が最高でした。
旅行するときの楽しみの一つに料理を挙げる方は多いと思います。
こちらのプランは見た目がより華やかで、個人的には満足度も上でした。予算が許すのであれば寿司会席のコースを強くお勧めします。
朝食|豪華な和食ダイニング
朝食は団体ごとに朝食会場でいただきます。
新型コロナ感染拡大防止の観点から隣の団体との距離が十分に保たれていました。
卵焼きやご飯の種類はその場で選択することができ、一人ひとり別のメニューを注文することが可能です。伊勢海老の出汁が効いた贅沢な味噌汁は特に絶品でした。
三重県はこんな方におすすめ!
私が実際に観光をして、次のような方に三重県を強くおすすめできると思いました。
(三重県観光をおすすめできる方)
- 綺麗な海や山の景色を見たい
- 美味しい海鮮料理や食べ歩きを楽しみたい
- 歴史的な観光地に足を運びたい
三重県は新幹線が開通しておらず、電車やバスの本数が少ないので観光にはやや不便に感じていました。
しかし、きちんとスケジュールを立てたりレンタカーを利用することで複数の観光地を巡れ、時間に余裕を持って楽しむことができました。
今回は紹介できませんでしたが、上記以外にも志摩スペイン村、地中海村、夫婦岩など魅力的な観光地がたくさんあります。
参照:【旅行ガイド】伊勢神宮だけじゃない!三重県おすすめ観光スポットやご当地グルメをざっくり紹介|Mie JAPAN Travel Guide
人気の観光地はYouTubeで紹介されているので、プランを立てるのが面倒だったり苦手な方は参考にしてみましょう。
綺麗な海や美味しいグルメが読者の皆様にとっても素敵な思い出となること間違いなしです。