製薬会社MRの初回配属先はどのように決まるのか?私と同期の配属先、勤務希望地、実家からの距離を集計して考察します!

就活時の条件として勤務地を考慮する方は多いと思います。

私は東京での就職を希望していました。

しかし、製薬会社は全国転勤ありの総合職採用がほとんどだったため、希望勤務地を一旦諦めて就活をしていました。

MR職は転勤族と言われる職種の一つです。

今回の記事では、製薬会社 MRの配属先がどのような基準で決められているのか、私と同期の配属先、勤務希望地、実家からの距離を集計して考察します。

 

この記事は、2022年7月 日に更新されています。

私の初回配属先は札幌だった

私が所属する製薬会社では、7月まで本社で研修を受け、8月から支店配属の流れでした。

初回配属先の営業拠点となるのは、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、京都、広島、福岡のいずれかです。

そして、私の初回配属先は札幌支店でした。

入社当初の私の勤務希望地は以下の通りでした。

勤務希望地
第一希望東京
第二希望名古屋
第三希望大阪

 

勤務希望地とその理由

私は都会に住みたかったので、東京や名古屋などの都心部を希望していました。

配属先を決定する前、直属の上司との面談で勤務希望地について聞かれる機会がありました。ただし、このヒアリングが配属先決定にどれくらいの影響を持っているかは不明です。

その際に、以下の理由から私は「関東圏」を第一希望としました。

(初回配属先に「関東圏」を希望した理由)

  1. 都心部で生活したかった
  2. 英会話教室、ヒゲ脱毛などに通いやすい場所
  3. 彼女が東京で生活していた

 

それぞれの理由の前に、東京に支店があるのになぜ「東京支店」希望と伝えなかったについて触れておきます。それは、東京支店のなかにも横浜、八王子、千葉など営業所があるので、一つの支店に範囲を限定して伝えない方が保険になると考えたからです。

 
①〜③の希望理由について紹介するよ。

①都心部で生活したかった

高校まで田舎で育った私は、都会に対する憧れがありました。
学生時代は都内で一人暮らしをしていたので、公共交通機関など都心部ならではの恩恵を受けて生活していました。そのため、就職後も東京に住み続けたいという希望がありました。
しかし、総合職採用では条件として「全国転勤」がある場合がほとんどです。
私が就活をしていた頃、勤務地を限定できる募集はIT企業や中小企業に限られており、将来的なキャリアを優先して東京での就職は半ば諦めていました。

 

②英会話教室、ヒゲ脱毛などに通いやすい場所

TOEICの点数アップと英語を話せるようになりたい思いが大学生の頃からありました。

また、高校生の頃からコンプレックスだったヒゲ脱毛をしたいので、英会話教室クリニックに通いやすい立地を希望しました。

学生中に上記の二つに取り組むことも検討しましたが、金銭的な余裕がなかったので断念した経緯があります。社会人になってから収入が増えたので、配属先が決定したら真っ先にやろうと思っていたことの一つです。

田舎では車がないと遠方に出掛けられないため、電車圏内に多くの店舗・施設がある範囲に勤務したいことを面談でも伝えました。

 

③彼女が東京で生活していた

大学3年生の頃から付き合っていた彼女が東京に住んでいたため、都内での就職を希望しました。

しかし、内定をいただいた会社はどれも全国転勤ありで、その希望は住み続けることは叶いませんでした。

東京を去る最後の晩、彼女と東京の高級ホテルに泊まり、思い出と今後のことを語り合いました。そして次の日、新幹線の改札まで彼女が見送ってくれ、初めての遠距離恋愛がスタートしました。

 

改札ではお互い泣いてしまったよ…。

 

就職して1ヶ月間は新しい土地、仕事に慣れることで精一杯で、彼女のところへ会いに行くことができませんでした。また、就職してすぐは金銭的な余裕もありません。

GWに彼女が東京から私のところまで会いに来てくれましたが、それ以降もなかなか私は東京に行けないでいました。

会わない時間が長くなり、お互いの気持ちが離れて結果的には別れてしまいました。非常に悲しかった反面、彼女とは「今までありがとう」と感謝の気持ちを伝えてお別れしました。

就職して転勤の可能性がある場合、遠距離恋愛になってしまうことはある程度覚悟しておきましょう。

 

札幌配属を知ったときの感想

先輩方の配属先を過去3年分ほど見たところ札幌配属は一人もいなかったため、予想外の配属でした。

入社した当初は東京支店を希望していましたが、彼女と別れた後は「正直、どこの支店でもいい」と考えていました。

私は雪国に住んだことも行ったこともないので、冬季のイメージが湧かないのは唯一の不安要素でした。しかし、暑いのが嫌いなので夏場涼しい地域はラッキーだと感じていました。

また、研修地から札幌へはANAで移動することができ、マイレージも貯まるので嬉しかったです。

実家に帰りやす地域を希望していたわけでもなかったので、新しい土地で仕事をできるのが楽しみになりました。

 

同期の希望勤務地と実際の配属先

先ほどは私自身の希望勤務地と実際の配属先でしたが、本章では同期6人について紹介します。

下の表に希望勤務地、配属先、希望勤務地、出身、実家-支店間の距離についてまとめました。

配属先希望勤務地出身地実家-支店間の距離
A仙台大阪富山500km
B広島埼玉埼玉850km
C関東名古屋静岡300km
D関東名古屋静岡300km
E東京大阪富山350km
F福岡大阪兵庫
500km
筆者札幌東京群馬900km

 

理由は様々ですが、ほぼ全員が実家に帰りやすい支店を希望しています。本州から離れた北海道や福岡を希望する人はいませんでした。

結果的に、当初の希望勤務地に配属された同期は一人もいませんでした。

 

製薬会社MRの配属先決定で考慮されるものとは?

製薬会社MRの初回配属先を決定する上で、考慮されているのは以下の点だと考えられます。

(初回配属先で考慮されているであろうこと)

  1. 支店長との性格的な相性
  2. 実家からある程度離れた支店
  3. 女性は東京配属になりやすい

 

支店長との性格的な相性

配属先の決定に際して明確な基準は示されていませんが、「支店長との相性」が大きく関わっているのではないかと思います。

研修期間を通して私たちの性格や特徴が人事裁量権者に伝えられ、職場の人と馴染めるかが重視されているように感じました。また、別の会社で人事部長を担当されていた上司もそのようにおっしゃっていました。

仕事をする上で人間関係は非常に大切なので、新人の個性が一番発揮しやすいと判断された支店に配属されることが予想されます。

 

仕事をする上で人間関係は大切だよね。

私が入社して代は新型コロナの影響で実施されませんでしたが、3年前に入社した先輩は、配属先決定の前に支店研修を行なっていました。

その際に、支店長と面談をしたり、現場の先輩MRと同行していたと聞きました。

ある体育会系出身の先輩は、その後の配属先希望調査で「私の営業スタイル的に活躍できるのは〇〇支店しかない」とアピールしたことで、希望していた支店への配属となりました。

このことからも、個人の性格と支店長との相性が最重視されているのではないかと考えられます。

 

実家からある程度離れた支店

前章の表から、実家と支店間の距離が少し離れた場所への配属先が多く見られます。

一番近くても富山〜東京間でした。新幹線を利用して片道3時間以上掛かります。

福利厚生として帰省手当が毎月支給されているので、会社側の負担を考慮するならば、ある程度は実家から近い距離に配属されるだろうと予想していました。

しかし結果は全員が新幹線で帰省できる範囲ではなく、関東出身の二人はそれぞれ札幌、広島と遠い地域に配属されています。

経験を積むと言う意味でも、最初の配属先は実家から遠く離れた地域と思っておきましょう。

 

女性は東京配属になりやすい

私が所属する製薬会社では、東京配属になる人の9割を女性が占めます。

東京支店には数十人のMRが在籍していますが、やはり女性比率が非常に高く、男性は全体の2割程度に留まります。

 

MRは男性が多いイメージなので、女性MRは重宝されるのでしょう。たしかに同期の女性MRはコミュニケーション能力が高く、明るい印象でした。

前章で出身地と離れた場所に配属される傾向にあることを紹介しましたが、東京配属になる女性は他県出身の方がほとんどです。私の代では富山出身の人が東京配属となりました。

 

「転勤」さえ許容できれば製薬会社は魅力的な就職先と言える

製薬会社のMRは転勤族と言われるくらい頻繁に配属が変わります。

一般的に3〜5年で異動になるという意見が多いです。私の先輩は、初回は京都に配属され、1年目に金沢に異動となった方がいらっしゃいます。

元塩野義製薬の【にしまファーマさんが、MRの全国転勤事情についてインタビューをしている動画があります。

参照:【MRの残酷な全国転勤事情】家を建てた直後に転勤!?

動画の中では、MRの方が6年目に岡山から関西に異動となったことが語られています。また、家を建てた直後という最悪とも言えるタイミングでの転勤だったようです。

製薬会社に就職した方でも、転勤に悩む声がネット上で見られます。

 

地元で就職したい、学生時代を過ごした土地で就職したいなど、全国転勤を避けたい方にとって製薬会社はおすすめできる選択肢ではありません。

しかし、大卒の総合職採用で特に営業職は全国転勤を前提とする募集が多く、製薬会社は転勤さえ許容できれば待遇・福利厚生も良く、魅力的な就職先と言えます。

ご自身が就活をする際は、転勤の有無もしっかりと確認しておきましょう。

また、転勤に係る費用はどの範囲まで会社が負担してくれるのか、どれくらいのペースで転勤があるのかを調べ、入社後にギャップを生じないよう注意しましょう。