MR導入研修体験記|4ヶ月で現場で役立つスキルを身につけてライバルと差をつけるために私が実践したこと3選

製薬会社に入社して最初の数ヶ月は導入研修を受けます。

MR認定試験合格に向けて「疾病と治療」「医薬品情報」「MR総論」について学習する基礎教育、プレゼンなどについて学ぶ実務教育から構成されています。

 

MR認定試験に関する記事はこちら

企業によって導入研修の期間は異なります。私が所属する製薬企業では約4ヶ月間が導入研修として充てられていました。

導入研修中に何も意識せずにぼんやり過ごしてしまうと、現場で活かせるスキルを身に付けていないまま本配属となってしまう可能性が高いです。

本記事では、私が導入研修期間中にライバルと差をつけるためにやっておいてよかったと感じることを紹介します。

 
この記事は、7月5日に更新されています。

MR導入研修でライバルに差をつけるために私が実践したこと3選

MR導入研修でライバルに差をつけるために私が実践したことは、以下の3つです。

(導入研修中に私が取り組んでいたこと)

  1. MRテキストで学んだことを定期的に復習し、長期記憶として定着させる
  2. 「相手に行動してもらう」プレゼンをするために大切な準備や要点を意識した練習
  3. 社会人として自分の意志を正確に伝えられるビジネス文書を書く

 

①MRテキストで学んだことを定期的に復習し、長期記憶として定着させる

MRテキストで学んだことを定期的に復習し、長期記憶として定着させるために私は以下のことに取り組んでいました。

(MR認定試験対策で私が実践していたこと)

  1. 一日15分でも問題を解く時間を作る
  2. 自分専用のノートを作成して、すぐに復習できるようにする
  3. テストで間違えた問題をファイリングして優先的に復習を行う

 

次の章からその具体的内容について個別に紹介していきます。

 

一日15分でも問題を解く時間を作る

MRテキスト学習で最も心掛けたのは、一日に短時間でもあっても問題に触れることです。

私が問題を解くのにメインで使用していたのが【アクメディッド】のドラゴンという電子媒体の問題集です。

(MRカレッジ ドラゴンの一部抜粋)

 

基礎的な記憶の定着を図るために、ドラゴンは手軽にできる有用なツールであると思います。

ドラゴンを定期的に解いていたことにより、テスト前は自分の苦手なところに集中して時間が割けました。分野ごとに細かく分類されていて、各章30問程度で構成されています。

内容も正誤問題や3択問題が多いので、短時間でも取り組みやすいのが大きな利点です。

 
隙間時間に勉強できるのは便利だね!

一度学習したことを時間が経つと忘れてしまうのは当然のことです。

個別指導塾【CASTDICE】 の小林尚塾長が、学習したことを長期記憶として定着させるための復習方法を、エビングハウスの忘却曲線に沿って解説されています。

参照:【暗記の常識】実は嘘?エビングハウスの忘却曲線の本当の意味とは?【意外と知らない】

 

受験生と同様、平日は次の日の予習などに時間が割かれてしまい復習に充てる時間を捻出するのは容易でありません。テキスト学習が進むにつれて内容が蓄積し、結局どこから復習をすればよいのか分からなくなってしまいます。

この動画は、時間がないなかでもいかに復習をしていくかについて考えられるので、参考にしていただければと思います。

自分専用のノートを作成して、すぐに復習できるようにする

忘れやすいことや苦手分野をすぐに見直せるように専用ノートを作成しました。

書き込む内容は重要度の高いものに限定し、見やすさを重視して情報量が多くなり過ぎないように注意しました。

(研修中に使用していた私のノート)

 

赤シートを利用すると赤字の部分を隠せるので、テストの直前だけでなく隙間時間に見直すなど短時間で気軽に復習することができます。

MR試験は出題範囲が非常に広く、本番の試験前に何をすべきか迷ってしまう方は多いと思います。その際にも要点をまとめたノートは有効活用することができます。

ただ、ノートを取ること自体に時間を割きすぎてしまうと単なる作業になってしまうので注意ましょう。

 
ノートを書くことが主目的にならないように!

テストで間違えた問題をファイリングして優先的に復習を行う

間違えた問題は宝の宝庫です。

自分の苦手な分野を発見することができ、復習する際は周辺知識も併せて学習することで理解が深まります。

私の場合、MRテキスト学習後の確認テストで使用した冊子をファイリングし、間違えた問題に印をつけ、テキストで調べながら解説を書き加える方法で学習していました。

(確認テストの一部抜粋)

 

問題番号のとこに三角やレ点などの印がありますが、以下のようにして分類していました。

(問題番号脇にある記号の法則性)

  1. 「レ点」 = 試験中に自信を持って回答
  2. 「黒三角」 = 正解か自信のなかった回答
  3. 「赤三角」 = 不正解だった問題
  4. 「赤い星」 = 重要な問題

 

このように、後で見直す際に一目で復習すべき問題が識別できるように工夫しました。

テキストを参照しながら間違えた問題に解説を加える作業をし、同じ問題では間違えないように取り組みました。

 
自分だけの参考集を作るつもりで学習しよう〜

復習をする際にすべての問題を初めから解き直すのは非効率的ですが、間違えた問題だけに注力して取り組めるようにしておくと取り組みやすいのでおすすめです。

問題数が少ないなかで全体的に復習することができるため、土日を利用してこのように学習を進めていました。

同期のなかに、定期試験前は過去に間違えた問題を重点的に復習する方法で学習している人がいました。彼は常に8〜9割の点数を取得するほど安定して得点できていました。

 

②「相手に行動してもらう」プレゼンをするために大切な準備や要点を意識した練習

プレゼンの最終目標を「相手に行動してもらう」ことに設定し、練習の際は以下のことを意識していました。

(プレゼン練習の際に意識していたこと)

  1. 「相手に行動してもらう」ことを目的としたプレゼンにするにはどうしたらいいのか学ぶ
  2. 原稿をワードで書き起こし、自分の言葉で表現する訓練をする
  3. 本番の環境を再現し、緊張感のある練習をする

 

 次の章からその具体的内容について個別に紹介していきます。

「相手に行動してもらう」ことを目的としたプレゼンにするにはどうしたらいいのか学ぶ

プレゼンの仕方についてまったく分からない場合は、まずは簡単な本を一冊読むことをおすすめします。

大学のゼミ発表などでプレゼンを経験した方はいらっしゃるかと思います。しかし、私はゼミに所属していなかったので社会人になるまでプレゼンをきちんと学習したことがありませんでした。

初心者にも読みやすく分かりやすい本を調べていたところ、『1分で話せ』という書籍に出会いました。

伊藤洋一著『1分で話せ』

 

こちらの書籍で特に印象に残っているフレーズがいくつかあります。

(特に印象に残ったフレーズ抜粋)

  • 「相手が動くために、できることをすべてやりきる」(p.036)
  • 「中学生が理解できるレベルの言葉しか使わない」(p.100)
  • 「言葉にイメージを持てば、トーンは自然に変わる」(p.188)

 

プレゼンの最終目的は「相手に伝わる」ことだと私は考えていましたが、本書を読んでからは「相手に行動してもらう」ことであると考えが変わりました。

製品紹介の場合、特徴を伝えるだけでなく「〇〇という理由でぜひ採用をご検討いただければ幸甚に存じます」などの言葉で締めるように意識するようになりました。

また、簡単な言葉で分かりやすい説明に置き換えることで理解を促せることを学びました。

「拒薬」を「患者様が薬を飲むのを拒んで吐き出すことなど」と言い換えれば、専門用語を知らない中学生でも理解できます。

 
頭を使わないで話を聞ける方が理解しやすいよね。

スライド一枚一枚をしっかりと理解し、言葉に対するイメージを持った声のトーンで話すことについても例を見ていきましょう。

患者様のお役に立てるであろう話の際は笑顔で話す方が好印象です。

しかし、副作用や注意事項においても同様に笑顔で話していては不適切であると感覚的にイメージしていただけるのではないでしょうか?

 

プレゼン中は表情も大切だね。
本の内容がいくら有用でっても、読書が苦手という方もいらっしゃると思います。
そのような方におすすめなのが、サラリーマンYouTuberであるサラタメさんが本書の要点をまとめた動画です。

10分ほどで視聴することができるので、読書が苦手、時間がなくて忙しい方でも気軽に学習することができます。
また、本を読んだ方が復習する際のコンテンツとしてもおすすめです。
 
隙間時間を活用して気軽に視聴できるよ!

原稿をワードで書き起こし、自分の言葉で表現する訓練をする

MRがスライドを自分で作成することはありませんが、資料に合わせた原稿を作ることは必要です。

PowerPointにノートが添付されていましたが、それを暗記して読み上げるだけではプレゼンとして十分と言えません。一枚一枚のスライドを細部まで理解し、自分の言葉に置き換えて想いを伝えることがプレゼンで大切です。

 
実際の原稿と一緒に紹介していくよ〜

私はWordで原稿を作成し、重要な部分には校閲機能のコメントを利用してメモを書き加えていました。

(私が実際に使用していた原稿の一部)

 

冒頭の挨拶は相手の興味を惹くためにも非常に大切です。「知識はまだ乏しくても、フレッシュマンらしさが大きな武器である」といつも部長が話されていました。

「新人なので至らない点が多いとかと思いますが…」と言うのは絶対に止めましょう。

新人ながら一生懸命取り組むという姿勢をアピールする挨拶の方が、医療機関の方々にも好印象を与えられたというお話を先輩からうかがいました。

 

新人期間だけの特権だね!

冒頭挨拶の他、説明会の導入部分、コア・コンセプトを伝えるための文章を構成しました。

時間が掛かる大変な作業ではありますが、プレゼンに慣れない期間はすべてのスライドで原稿を作るとよいでしょう。

 

実際に手を動かして考えると、自分の使いやすい表現を把握できます。

このような練習を行なっていた結果、上司から敬語や言い回し、基本的な構成については問題ないと評価していただけました。

 

本番の環境を再現し、緊張感のある練習をする

いくら事前準備をしてもいざ人前に出ると緊張するものです。

研修期間中、上司二人と同期10人程度の前でプレゼン練習をする機会が多くありました。お互いに顔を知っている間柄であっても緊張するものなので、現場に出て医師や薬剤師の前で発表するのはさらに緊張します。

 

プレゼンを家で練習するために、私は次のようにしていました。

ベッドの上にぬいぐるみを3体ほど配置し、それらを先生やスタッフの方々だと想定してプレゼンの練習を行いました。

(自宅練習時の様子)

 

その際、以下の点を意識しました。

(プレゼン練習で意識した点)

  1. お礼や重要事項は上座の人を意識して視線をあ合わせる
  2. プレゼン中は目線を全員とゆっくり合わせる
  3. 失敗しても途中で止めず最後まで発表を行う

 

処方のお礼や重要事項は、その場にいるトップの方を見て話すようにし、それら以外は全員とアイ・コンタクトを取りながら、双方向のコミュニケーションを意識した練習をしました。

なぜなら、先ほどお伝えしたように、プレゼンは「相手に行動してもらうこと」が目的だからです。

また、本番では失敗してやり直しができないので、練習中であっても常に全体を通すようにしていました。

 
どのような失敗をしても中断するわけにはいかないからね。

ある程度練習を重ねた後はプレゼンの様子を動画で撮影し、客観的な視点で振り返ることをしましょう。その際、次回改善すべき点をメモしておくと更なるレベル・アップが図れます。

このような練習を自宅でしていたので、会社内でプレゼン練習をする際は緊張しながらも自信を持って発表することができました。

 

③社会人として自分の意志を正確に伝えられるビジネス文書を書く

この章では、自分の意図したことが読み手に正確に伝わるビジネス文書を書くために意識してきたのは以下のことです。

(ビジネス文書を書く際に気をつけていたこと)

  1. 『敬語美人』を参考書にして敬語マナーを鍛えた
  2. 報告書の体裁について調べ、自分のなかで雛形を身に付ける
  3. 文書を上司に送信する前に同期で確認し合う

 

次の章からその具体的内容について個別に紹介していきます。

 

『敬語美人』を参考書にして敬語マナーを鍛えた

ビジネスの場において敬語は基本的なマナーです。

しかし、大学生までの期間で社会でも通用するような敬語を身に付けている方は少ないと思います。

私が敬語を学習する際に活用していたのが『敬語美人』という書籍です。

『敬語美人』講談社

 

出退勤時の挨拶、上司に報告をする際の敬語の使い方など、場面に応じた適切な敬語表現を学ぶことができます。

以下は、外出する旨を上司に伝えるとき例にとったものの抜粋です。

(自分が外出することを上司に報告する)

「これからA社に〇〇の件で打ち合わせに参ります。三時ごろに帰社する予定ですので、よろしくお願いします。」(p.31)

 

この本で学習する前の私だったら、「〇〇の件で外出してきます」と済ませていました。ここでは敬語に加え、外出の要件の他に行き先、所要時間など必要な情報を伝えることも重要であると学習できました。

本書のメインは敬語ですが、上記のような一般常識についても同時に学べるのでおすすめです。

 
分量が少なく短時間で読みやすい書籍だったよ。
敬語を学習する方法はこれ以外にも動画や資格など、自分に合ったものを選べばよいと思います。
「すごい」のなどの若者言葉をビジネス表現に置き換える、すぐにでも実践できる敬語を学べる動画を、学習コンテンツの一例として一つ載せておきます。

大切なのは身に付けた敬語を実際の場面で使っていくことです。
私が社会人になりたての頃は「承知致しました」と言うのは小恥ずかしく感じましたが、今ではそれが違和感なく当たり前のように使えるようになりました。
 
「習うより慣れろ」だね!

報告書の体裁について調べ、自分のなかで雛形を身に付ける

研修を受けて初めて会社で報告書を作成する際、その書き方が分からずにA4一枚に数時間掛かりました。

最初は大学でのレポート課題のように文字をびっしりと書いていましたが、上司から再提出を指示されました。

何も知らなかった私が報告書の書き方を学習する際、マコなり社長の動画を参照していました。

参照:【皆知らない】仕事ができない人の「文章の書き方」10選

 

学習したことを踏まえ、報告書作成時に気を付けていたのは以下の点です。

(報告書作成で気をつけていた点)

  1. 文章は長くても3行以内に収める
  2. 箇条書きにして相手が見やすい分量で書く
  3. 事実ではなく自分の課題や所感を述べる

 

文字だけでびっしりと書かれている報告書を受け取ると、相手はどのように感じるでししょう。その大部分は、「忙しいのに長い文章を読むのは面倒だ」でしょう。

箇条書きにして要点をまとめることで体裁がスッキリし、短時間でも読むやすくなります。

上記の点を踏まえて、私なりに体裁を確立させて作成した報告書を再現したものです。

(私が書いていた報告書の体裁を一部再現したもの)

 

社内で雛形のようなものがあれば手っ取り早いですが、そうでない場合は一から自分で考えなくてはなりません。

自分なりの報告書の書き方を確立しておくことにより、作業を効率的することができます。

報告書の書き方において正解は存在しませんそのなかでも、相手が見やすく言いたいことが正確に伝わる報告書を作成することを意識していました。

 

文書を上司に送信する前に同期で確認し合う

ビジネスの場において何事にも正解は存在しません。

そのなかでも相手に失礼のないよう、メールなどを送信する際にきちんと身に付けておくべきマナーはあります。私が最初に悩んだのが、相手の所属する部署、その方の役職の書き方です。

(社内で私が送信したメール文面の再現)

 

社内には多くの部署と役職が細分化されていて、宛名として記載する際にはどのようにすればよいのか自分では分かりませんでした。

そこで、インターネットでメールの書き方について調べるとともに、同期と分からない点を確認し合っていました。

 
特に宛名、所属、役職については漢字も含めて入念にチェックしよう。
(私が実際に間違えてしまった実例)
  • (誤)人材開発 →  (正)人財開発
  • (誤)斉藤さん →    (正)齋藤さん
  • (誤)リーダー → (正)チームリーダー

 

メールなどを相手に送信する前に第三者に確認してもらうことで誤字・脱字に気付けるだけでなく、同期同士なので改善すべき点についても気軽にアドバイスをすることができます。

このように文書を書いていると徐々に慣れ、自分一人でも躊躇なく上司にメールなどを送信できるようになりました。

 

導入研修期間に現場でも活かせるスキルを身に付けるとライバルに差をつけることができる

ここまでご紹介してきたことを実践し、私は次のようなメリットを享受することができました。

(紹介してきたことを実践して享受したメリット)

  1. MR認定試験の定期テストで常に平均点以上取れた
  2. プレゼンに自信を持って臨み、毎回ステップ・アップを図れた
  3. 同期よりも報告書を早く提出できた

 

MRテキストを一度学習しただけでは知識の定着が図れず、時間とともに内容を忘れてしまいます。

定期的な復習をしてたことにより、テスト直前になっても焦らず苦手なポイントを意識して学習できました。その結果、ほとんどのテストで平均点以上を獲得することができていました。

 
点数が安定すると気持ち的にもラクだよ〜

プレゼン練習はWordに書いた原稿を暗記することで、人前に立っても自信を持って発表することができました。

基礎的な部分をクリアできた子によって、上司からもより進んだ内容のアドバイスをいただき、回数を重ねるごとにステップ・アップを図ることができました。

プレゼンは事前準備が非常に大切なので、時間を見つけて原稿を書き、誰かに見てもらいながら練習しましょう。

 
プレゼンは練習あるのみ!

また、敬語を身に付けた上で自分なりの雛形が確立できていたので、報告書は同期のなかでも提出が早い方でした。浮いた時間はMRテキストの学習などに充て、有効活用できていました。

たった数ヶ月の期間ですが、導入研修の間は現場での仕事をせず勉強に専念できる貴重な時間です。

ぜひこの期間を活かして、現場に出てからも役に立つスキルを身に付けていきましょう。