製薬会社MRの宿命〈全国転勤〉について|実際に転勤を経験した立場から、否定派としての意見をお伝えします

製薬会社MRは全国転勤を前提とした職種です。

私もその条件を受け入れた上での入社でしたが、配属されてみると考え方が大きく変わりました。

 
転職理由の一つは転勤を嫌ったからだよ
今回の記事では、実際に数回の転勤を経験した立場から否定派の意見とその根拠をお話していきます。
あくまで個人的な意見のため賛否両論あるかと思いますが、一意見として受け止めていただければと思います。

初配属地は北海道に決定

私の初回配属地は北海道担当エリアは中央区を除く複数の区とその近郊です。
北海道には旅行で訪れたこともなかったので、縁もゆかりもない土地でした。
 
最初は豊平区に住んでいたよ
学生時代に過ごしていた東京近辺への配属を希望していましたが、私含めて同期全員が希望通りの配属になりませんでした。
新卒で入社される方は、「希望通りにならない可能性が高い」と考えておきましょう。

私は札幌圏で比較的都会地域の配属だったので、その点では良かったと感じています。
しかし、群馬県の実家に帰省するのに8時間程度かかること、友人の多い東京に行くことが難しくなってしまいました。
 
初期配属地に関する記事はこちら

北海道配属のメリット・デメリット

この章では、北海道に配属されて感じたメリットとデメリットについて紹介します。

北海道配属のメリット

北海道(札幌圏内)で働いていて感じたメリットについて紹介します。

広大な土地でドライブできる

地図で見ていただければ一目瞭然ですが、北海道は面積が非常に広いです。

担当エリアにもよりますが、広大な土地を颯爽とドライブすることができます。

 
雪が降ったら運転にはより一層気をつけて!

札幌市を少し離れると、信号のない一本道がどこまでも続いているような場所が多かったです。

初夏は新緑、秋は紅葉がきれいなので、得意先へ移動している道中に観光気分を楽しめます。

無料の駐車場が多い

都会MRの悩みの種に、駐車場を探すのが大変なことが挙げられると思います。

北海道では、中央区を除けば無料の駐車場が併設されている病院、薬局が多いです。

もちろん有料駐車場を利用した場合は経費生産が可能ですが、現金しか使用できない場所では建替えが必要です。

私は普段からあまり現金を持っていないので、これだけのためにATMでお金を降ろしたことがありました。

医療関係の施設に限らず、コンビニや飲食店にも無料駐車場があるのはプライベートでも有難いです。

美味しいグルメがたくさんある

ガーデンハウス(余市)の満腹ちらし

北海道には美味しいグルメがたくさんあります。

観光地に行かなくても、札幌市内に住んでいれば生活圏に人気の店が数多く並んでいます。

 
お昼休憩に外食を楽しめるよ!
海鮮系の他には、スープカレーラーメンが有名です。
毎回外食するのは金銭的に厳しいですが、仕事を頑張った時には自分へのご褒美として美味しいものを食べていました。
 
 
 
 
 
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配属先でお気に入りのお店を見つけよう〜

北海道配属のデメリット

北海道(札幌圏内)で働いていて感じたデメリットについて紹介します。

雪道の運転が疲れる

雪国MRが避けて通れないのが、雪道での運転です。

私自身、積雪量が少ない地域で過ごした期間が長いので最初はかなり抵抗がありました。

 
北海道の積雪は、本州と比べ物にならないくらいすごいよ

出典:1年目記者が雪道を走る アイスバーンに巨大な雪山 北海道の冬は危険がいっぱい プロが教える冬の運転テクニック

路面が凍結すれば当然スピードを抑えなくてはなりません。
それだけではなく、車や駐車場に積もった雪を除雪するために一時間早く家を出たり、渋滞が発生していたり、冬の移動はとにかく時間が掛かります。
 
所要時間は通常時の2倍くらいを見積もろう…
雪道運転を前提としているので一般的に車は四駆のため、燃費が悪くガソリン代が高くなってしまいます。
運転面に関してはデメリットがかなり目立ってしまいました。

物理的な移動にお金が掛かる

北海道では、他の地域に行く際は必ずと言っていいほど飛行機での移動が必須です。

移動よりが長くて大変だったので、群馬県の実家には2年近く帰省していませんでした。

札幌中心地に住んでいても新千歳空港までは1時間ほど要します。
 
 
帰省にはドア toドアで8時間以上掛かったよ
時間だけではなく、飛行機での移動には高額なお金が掛かってしまいます。
プライベートや公務員試験の受験を含めて、航空券だけで年20万円くらいは使っていました。

冬季の外出が面倒に感じる

車を使う場合に雪道運転をしなければなりませんが、積雪期間は徒歩での移動も大変です。

路面が凍結して滑りやすいため、当然普段よりゆっくりと進まなければなりません。

 

よくスケートリンクに例えられているよ

凍結していた雪が溶け始めると、シャーベット状になります。

地面がぬかるんで歩きにくいだけでなく、靴や衣服が汚れやすいのでその点も注意が必要です。

 
北海道の冬は長くて3月頃まで雪が残っているよ
寒いことに加えて移動のしづらさ、時間が掛かることで冬季は外出が面倒になってしまいます。
この期間だけは、アウトドア派の私にとって生活しにくい環境でした。
 

全国転勤否定派としての意見

この章では、私が実際に転勤族となって感じたことをお伝えさせていただきます。

あくまで個人的な経験に基づく一意見として読んでいただければと思います。

転勤の心配をしながら働かなければならない

私がMRを辞めようと思った一番の理由が転勤です。

短いスパンで異動となる方が多くいるのを知って、自分自身の問題として捉えるようになりました。

 
沖縄出身の方が北海道配属になったりしていたよ
入社した当初は、「若い間に複数の地域で生活できる」と肯定的に考えていました。
しかし、いつ転勤になるか分からないという心配を抱えて働き続けることに限界を感じるようになりました。

私は将来的に東京に定住したいと思っていたので、転職先は転勤がないことを条件に探しました。
 
MRから公務員になることを決めた理由はこちら

人間関係を一から構築し直す必要がある

転勤をした場合、居住環境や人間関係を一から構築し直す必要があります。
組織内だけではなく、得意先との関係も異動する度に築き上げなければなりません。

 
「人間関係」は人生の三大ストレスの一つと言われているよ
MRの仕事上、医療機関だけではなく医薬品卸さんとの関係性も仕事をする上で重要です。
多くの人の名前と顔、MSさんの担当施設、得意先での採用品目など製品のこと以外で覚えることは膨大です。
せっかく得意先と良好な関係を築けても、異動でリセットされてしまうのは大きなデメリットに感じていました。

世界的に見て〈全国転勤〉は稀な制度である

社会人になってから知ったことですが、全国転勤は世界的に見て稀な制度です。
最近は企業によって見直しが進められていますが、製薬会社MRにとってはまだまだ当たり前といったところです。
 
MRなどメーカーの営業職は転勤のイメージが定着しているね…
一昔前は、「大企業に入れば将来安泰」といった終身雇用が根強いていましたが、そのような時代はバブル崩壊とともに終焉を迎えました。
その時代の悪しき習慣として、全国転勤が根強いってしまっていると考えられます。

一部の企業ではエリア総合職の拡大、本人が希望しない転勤を行わないなど改革が進んでいます。
また、就活生側も自分で職種や勤務地を選びたいと考えている人が増えているようです。
 

【まとめ】転勤が嫌な人にMR職は向いていない

結論として、転勤が嫌な人にMR職は向いていません。

日当や家賃手当など高待遇な職種ではありますが、今後何十年と考えた際に続けるのは難しいでしょう。

 
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目先の利益ではなく長期的な視点で考えよう

何を優先するかは人それぞれですが、私の場合は〈居住地〉が大きな転職の要因の一つでした。

もちろん待遇面は就職する上で大切ですが、それ以外のところもきちんと検討した上で業界・会社選びをしましょう。