皇族御用達の「学習院大学」|大学の特徴・世間からのイメージや就職に強いという評判についてOBの立場から母校を紹介します

私は2022年に学習院大学を卒業しました。

高校3年生の頃に法学部を目指すようになり、最終的に本校に入学するに至りました。

今回の記事では、学習院大学の特徴を卒業生の立場から紹介していきます。

 
この記事は、2022年9月25日に更新されています。

学習院大学

参照:学習院大学 キャンパス紹介

学習院大学は東京都豊島区の目白に位置します。

JR山手線「目白駅」を出て徒歩1分ほどで校門まで着くため、電車で通いやすい立地です。

 
山手線は本数が多いから便利だね!

キャンパスの約半分の面積を緑が占めるため、23区内にありながら落ち着いた雰囲気の中で学習できます。

参照:Googleマップ「学習院大学」

学校法人学習院は、幼稚園初等科中等科高等科大学で構成されています。中等科、高等科は男女別学になっています。

学習院大学は学習院女子大学と混同されがちですが、後者は名前の通り女子大です。

 

学部・学科

学習院大学には、法学部経済学部文学部理学部国際社会科学部の5学部とそれに準じて17学科が存在します。

国際社会科学部は2016年に約50年ぶりに新設された学部で、「コミュニケーション手段としての英語」「分析手段としての社会科学の手法」をテーマに講義が展開されています。

 
初年度には約200人が入学したよ。

本章では、各学部の偏差値や私が通っていた法学部に関すること、転学科した経験をお伝えしていきます。

 

各学部の偏差値と人気学部

各学部・学科の偏差値は、大学受験パスナビによると以下の通りです。

学部
学科偏差値
法学部法学科60.0
政治学科57.5
経済学部経済学科57.5
経営学科57.5
文学部哲学科55.0
史学科57.5
英語英米文化55.0
ドイツ語圏文化55.0
フランス語圏文化55.0
心理学科57.5
教育学科57.5
理学部物理学科55.0
化学学科55.0
数学科55.0
生命学科55.0
国際社会科学部国際社会学科57.5

全体的に大きな差はありませんが、法学部/法学科と国際社会学部の偏差値がやや高い傾向にあります。

実際、私は現役時代に政治学科には合格していましたが法学科は不合格でした。

 
第一志望の法学科は補欠合格だったよ。
各年の受験結果を参照すると、法学部経済学部の倍率が安定して4倍程度と高い傾向にあります。この二つが学習院大学の中では人気であると考えられます。
2021年度より、学習院大学は「コア試験」「プラス試験」「共通テスト利用」の3形態で入試を行なっています。
「プラス試験」はこれまでの一般選抜に加えて、受験の機会を増やす意図で設けられたもので、募集定員は「コア試験」より少なく設定されています。
 
受験の際はイメージに惑わされないでね!

転学科制度で法学科に転学

私は2年生に進級する際、政治学科から法学科に転学科しました。

法学部の政治学科に入学しましたが、法学科が第一志望であり、政治学科の学習内容に興味が持てないことで悶々とした日々を過ごしていました。

転学科の制度があることを知り、1年生の夏頃から転学科試験の対策を始めました。

Q2. 入学後に、転部・転科することは可能なのでしょうか?

A. 本来、受験する際には、自分の将来の進路、学問に対する関心、適正等を考慮して慎重に学部・学科を選択すべきですが、入学後に、やむを得ない理由で他学部・学科へ移りたいという学生に対しては、選考 によって転部・転科を許可する場合があります。
転部・転科に関する具体的な要項については、学生センター教務課(TEL:03-5992-1453)へお問い合わせください。

(学習院大学 入試に関するQ & A)

詳しい情報はホームページ上に記載されていませんが、転部・転科に必要な手続きは主に次の三つです。

(転部・転科に必要なこと)

  • 願書を提出する
  • 転部・転科の筆記試験を受験する
  • 学部・学科によっては面接が実施される(教育学科など)

願書には転部・転科をしたい理由を書きます。

私が受験した法学科の場合、筆記試験では法律問題に関する記述式の大問が2問ほど設けられていました。

試験対策として憲法と民法を独学で勉強していましたが、政治学科では法律科目を受講しないカリキュラムが設定されています。

 

他学科の講義は必修科目ではなかったよ。

求めらるのは法律に関する正確な知識ではなく論理的な思考ができるか否かではないかと感じました。

著作権の関係上、試験問題を掲載することはできません。

しかし、本気で転部・転科したいのであれば希望先の主要科目だけでも学習しておくことをおすすめします。

 
決意したら早めに準備を進めよう!
私の場合、面接は課されませんでしたが、試験に合格して2年生からは法学科の所属となりました。
本記事は転学科のことはメインではないため詳しくは割愛しますが、入学後に転部・転科の制度があることを参考までに知っていただければと思います。

 

学習院大学に対する世間のイメージと実際

学習院大学に通っていて、私は世間から次のようなイメージを持たれていると感じることが多くありました。

(学習院大学に対する世間のイメージ)

  1. 実家がお金持ちの学生が多い
  2. 皇族が多く通っている大学である
  3. MARCHと同程度の学力である

 

皇族が多く通っている大学である

近年では皇室の「学習院離れ」がニュースで取り上げられるようになりました。

しかし、世間一般からは依然として皇族が多く通っている大学というイメージは強くあると思います。

実際に現在の天皇と上皇も学習院大学のご出身です。

 

2020年には愛子さまが入学されたね!

 

参照:愛子さま 学習院大学進学へ

私は愛子さまが入学されてから三年間は在学時期が被っていました。

しかし、学部が違うことや新型コロナウイルスの影響でリモート講義に切り替わったなどにより、キャンパス内ではお会いできませんでした。

 
体調が原因で登校されていない時期もあったね。
愛子さま以外に皇族の方が通っていたかは分かりませんが、少なくとも私の周りではいませんでした。
皇族ばかりで肩身の狭い思いをする、ということは一切ありませんでした。

 

実家がお金持ちの学生が多い

皇族に準じてお金持ち」の家系が多い印象が強く持たれていると感じました。

自己紹介で大学名を明かすと、「周りはお金持ちの人が多いの?」といった類いの質問をされることが多くありました。

ネット上でも「学習院=お金持ち」というイメージが定着していることがうかがえます。

実際のところ、学生自身は全身ブランドなど華美な身なりをしている人は少なく、落ち着いた雰囲気の人が多い印象を受けました。

 
特にご高齢の方はそのようなイメージが強いみたい。

私の実家は、父が工場に勤務しており母は専業主婦のごく一般的な家庭です。

私の友人の親御さんは会社員、銀行員、地方公務員、教師など様々で、医者や弁護士など高年収の職業が多い印象はありませんでした。

しかし、お金持ち家系が少数ながら存在したのも事実です。

(お金持ちであると感じた家系の例)

  • ベンツなどの高級車で正門まで送迎
  • 実家が浅草の一等地に存在する
  • 親が中央省庁などの国家公務員、大学教授である

私立大学に通わせてもらっている以上、どの家庭も一定以上の年収はあるものと予想されます。

それでも、「お金持ちが多い」というのはイメージが先行し過ぎており、私のように一般的な家庭の学生が多く存在します。

 
受験の際はイメージに惑わされないでね!

MARCHと同程度の学力である

MARCHに学習大学を加えてGMARCHと呼ばれることがあります。

 
「ジーマーチ」と読むよ。

GMARCHとは大学群を表す略称で、アルファベットのそれぞれの頭文字は以下の大学から構成されています。

頭文字大学名
Gakushuin University学習院大学
Meiji University明治大学
Aoyama Gakuin University青山学院大学
Rikkyo University立教大学
Chuo University中央大学
Hosei University法政大学

各大学でも学部・学科によって偏差値は異なるため正確には把握が困難です。

大手予備校の河合塾が公表している「私立大 2022年度入試難易予想一覧表」によるデータを参照してみましょう。

大学名全学部平均偏差値
学習院大学57.6
明治大学61.0
青山学院大学60.4
立教大学60.5
中央大学58.0
法政大学57.1

どの大学も偏差値60前後の範囲であることが分かります。

私の体験上、就活の際に学習院大学はMARCHと同じ括りで評価されていることが多いように感じました。

 

就職に強い大学という評判は本当なのか?

学習院大学は就職に強いという評判をネット上でもよく見かけます。

結論を先に申し上げると、個人の努力次第であると言えます。

ただ、本気で就活をしようとすれば十分な支援を受けられるだけの環境が整っているとは間違いありません。

  • 手厚い就職支援プログラムが用意されている
  • 学歴で大きく有利にらなずとも不利にはならない
  • 個人の評価は在学中の努力で変わる

大学ホームページで公開されている情報や私や友人の就職先などを3つの視点からその是非を検討していきます。

 

手厚い就職支援プログラムが用意されている

学習院大学には就活を専門とするキャリアセンターが設置されており、就活に関する相談業務やサポートなどの支援を行なっています。

主な就活支援としては次のことが実施されています。

(キャリアセンターが実施する就活支援)

  • 学内企業説明会
  • インターンシップ対策講座
  • エントリーシート・履歴書添削
  • SPIや面接などの対策
  • 公務員志望者向けのセミナー

学内企業説明会では日経新聞、電通、JR東日本など日本を代表するような有名企業が名を連ねます。

OB・OGの方による懇談会も不定期ではありますが実施されています。

 

大企業勤務の先輩から話を聞けるよ。

インターンシップや就活解禁の時期には、全体の流れを把握する目的と皆で士気を高めるための直前セミナーが行われます。

他にも各段階に合わせて対策が講じられているので、就活に対するサポートは手厚い環境にあると感じました。

 

面接対策「めんたいセミナー」は学習院の名物になってるよ。

マンツーマンの就職相談が申し込めますが、1ヶ月以上前から予約が埋まっていることが多かったです。

少しでも利用を考えている方は早めに予約したほうがいいでしょう。

 

学歴で大きく有利にならずとも不利にはならない

就活の場において学歴フィルターの存在をよく聞きますが、学歴だけで不利なったということは私自身感じませんでした。

製薬企業ではエントリーシートの段階で落とされてしまうケースが多くありましたが、その他の業界では5〜6割は一次面接目で選考を進めることができました。

 
総合商社やコンサルタントは難しいかも…。
私は最終面接まで5社進み、そのうち2社から内定をいただきました。
一社は現在勤務している製薬企業(MR職)、もう一社は釣り銭機を扱う国内大手企業でした。
私と友人の就職先を公表可能な範囲で表にまとめてみました。
就職先
筆者製薬会社(MR職)
友人A鉄道系建設(総合職)
友人B競輪(総合職)
友人C中規模建築会社(営業職)
友人D地方公務員(市役所)
友人E小学校教論

私の体感としては、公務員を除いて多くの学生が大企業に就職している印象があります。

2020年全学部の就職先実績を見てみましょう。

企業名人数
1位東京23区特別区人事委員会10名
2位日本年金機構6名
3位(株)あおぞら銀行5名
4位国税庁(東京局税局)4名
(株)りそなHD4名

上記の表に載っているような大企業に就職できるのは一握りの学生に限定されますが、大手企業の子会社グループ会社に就職する学生は多くいます。

面接官は学習大学に対してMARCHと同等の学力と捉えていることが多いのか、学歴フィルターの壁を感じることはありませんでした。
 
土俵に立ててもその先は個人の努力次第!

個人の評価は在学中の努力で変わる

前の章で「学歴で不利になることはない」と述べましたが、その先は個人の努力次第です。

学習院大学では一学年に約2,000人が在籍しています。

何もしないでただ四年間を遊んで過ごしているだけでは、優秀な人たちの中に埋もれてしまいます。

 
ライバルは学内だけでなく全国の大学生だよ!
就活のためだけに四年間を過ごすわけではありませんが、私が経験して就活でも役に立ったと思うのは次の5つです。
(就活でも役に立った経験)
  • 一人で四カ国の海外旅行経験
  • スーパーで五年間のアルバイト経験
  • 転学科試験を受験して合格
  • 複数の資格試験を受験・取得
  • 病気に罹患してから生活を改善した

誰でも実践できるのは資格を取得することだと思います。

TOEICはどの業界においても評価の対象になり、勉強すれば必ず点数が取れるのでコスパ面でも最強の資格であると感じました。

 
おすすめの資格についてはこちらの記事で!
環境が整っていても、それをどのように活かすかは個人の努力次第です。
講義の内容だけでなくより広い視点での社会勉強を意識し、貴重な大学生活を有意義なものにして将来の糧にしましょう。
 
最後まで読んでくれてありがとう!