転職1年目で転職を決意した僻地MR同期の心境とは?|早期転職を決意した理由と具体的な転職活動の方法について紹介

私の同期は新卒一年目ですが、早期転職を決意し実際に現在は他社で働いています。

今回の記事では、そんな彼と情報共有をする中で転職を決意するに至った理由、転職活動で直面した壁について紹介していきます。

 
本記事は、2023年5月4日に更新されています。

新卒一年目で転職を決意するに至った理由

私の同期が新卒一年目という早い段階で転職を決意した主な理由として、次のものが挙げられます。

(早期転職を決意した主な理由)

  1. 〈僻地〉配属が嫌で都会に移住したかったから
  2. やりたいことを遂行できる環境ではなかったから
  3. 年功序列の給与体系に将来的な不安を感じたから

私も同時期に転職を一つの選択肢として考えていましたが、共感できる部分が多くありました。

次の章からは3つの理由について詳しく見ていきます。

〈僻地〉配属が嫌で都会に移住したかったから

私の同期(A君)は、仙台への配属が言い渡されました。

本人の希望は友人が多く実家から近い名古屋や大阪といった関西圏でしたが、その希望とは大きく掛け離れたものでした。

 
全国転勤は製薬会社MRの宿命だね。
当初はかなり落胆した様子でした。
しかし、実際に引越してみると想像していたより街が栄えており、現地で飲みに行ける同業種の友人ができたため、仙台での生活が気に入ったと話してくれました。
 
転機は急に訪れたよ…
MR認定試験合格直後、人員不足を理由にA君は急遽、岩手県への転勤を命じられました。

僅か数ヶ月で3回目の引越しを余儀なくされ、人間関係もまた一から築かなければなりません。
A君は都会で生活したいという願望も強くあったため、度重なる転勤が後押しして早期での転職を決意しました。

やりたいことを遂行できる環境ではなかったから

近年の製薬業界全体に言えることですが、A君や私が勤務するメーカーでも供給体制に大きな問題を抱えていました。

得意先やMSさんからの問い合わせはそのことばかりで、追補品を発売しても積極的に製品PRを行える環境ではありませんでした。

 
供給状況や製品の追加手配に関する業務に追われていたよ。
また、「製品が売れない=利益が出ない」という悪循環から抜け出せず、会社として経費削減について厳しく指示がありました。

そのため、説明会の実施はもとより、お弁当を提供する状況もかなり限定されていました。
若手の頃から積極的に製品説明会を行なってスキルを身につけたいと考えていたA君にとって、思い描いていた環境とは大きく乖離していたのです。
 
若手の期間は、社会人の中でもその後を左右する大切な時間だよね。
「この会社に数年いても、価値のあるスキルは身につかないだろう」と見切りを付けたことも、A君が早期転職を決意する理由の一つでした。

年功序列の給与体系に将来的な不安を感じたから

A君や私が勤める製薬会社では、年功序列の文化が根強く残っていました。

等級によって給与体系が決定されますが、勤続年数を積み上げないと等級が上がらず、近年では景気悪化で昇給の機会が激減していました。

 
会社の経営状況は史上最悪といっても過言ではなかったよ…
先輩の給与明細を見せてもらったことがありますが、入社2年目以降は厚生年金や住民税が控除されるので、新卒の方が却って給与が高いという状況が発生していました。

製薬会社だけあって、それでも他の業界より給与水準は高いと言えます。
しかし、10年後になっても給与が上がらない可能性を悟り、A君は金銭面で将来的な不安を抱きました。
 
正直、筆者もこの点に関して不安は大きいよ…

新卒1年目で転職活動をするメリット・デメリット

この章では、新卒1年目で転職活動をするメリット・デメリットについて紹介します。

結果的に私は残留しましたが、一時期は転職活動をA君と一緒に行っていたので、これらの経験に基づいたリアルをお届けしたいと思います。

新卒1年目で転職活動をするメリット

「石の上にも三年」という言葉があるように、転職するまで3年間は耐えるべきとする意見が多く見られます。

しかし、近年では以下のような理由で新卒一年目から転職を考える人が増えているデータもあります。

※出典→資料シリーズNo.171「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状」|労働政策研究・研修機構

①早期に環境を変えられる

仕事が何らかの事情で嫌と感じている以上、転職することで早期に環境を変えられるのが最大のメリットと言えます。

精神的苦痛を伴ったまま現職を継続し、鬱病などを発症してしまったら社会復帰そのものが困難になってしまう可能性が考えられます。

 
治療と転職活動を並行するのは大変そうだね…
後述するように転職するハードルは高いですが、自身にとって納得のできる転職が早くできるに越したことはありません。

②「若さ」を武器にして転職活動ができる

多くの企業にとって若さ」は求められる素質の一つであると感じます。

勤続年数を積み重ねるほど当然ながら年齢も上がり、若さという武器は次第に失われていきます。

大学を卒業して1〜2年の間であれば第二新卒として扱ってくれる企業もあり、経験者の転職よりはハードルが低くなります。

日本の新卒一括採用ではポテンシャル採用が行われています。

ポテンシャル採用とは、求職者の潜在能力を評価基準とする採用方法です。即戦力ではなく、将来発揮するであろう能力に期待して人材を選考します。そのため、未経験業種への応募だとしても採用にいたる場合があります。

(出典:https://it-trend.jp/)

社会人として誇れる顕著な実績がなくても、「若さ」それ自体が武器になります。

 
「若い=やる気がある」と捉えてくれる面接官が多かったよ。

明確に早期転職を検討しているのであれば、新卒一年目であっても行動することは一つの選択肢になると思います。

③ライフイベントがなければ身軽で融通が効く

大学を卒業して一年目の段階で、結婚や出産を考えているケースは稀かと思います。

その意味で、ライフイベントが少なく身軽な間に転職をするのは合理的であると言えます。

参照:【MRの残酷な全国転勤事情】家を建てた直後に転勤!?

異動・転勤の際に家庭の事情がどこまで考慮されるかは会社や上司によりますが、一般的にMRには転勤が付き物です。

結婚をして家庭を持っている方の場合、単身赴任という可能性も考えられます。

 

十年以上にわたって単身赴任している社員の方もいたよ。

将来的に家族との時間を大切にしたいと考えるのであれば、自由に身動きが取れる間に条件の適う職種に転職することも賢明な判断と言えるでしょう。

 

新卒1年目で転職活動をするデメリット

ここまでは早期転職のメリットについて紹介してきましたが、残念ながらデメリットも多くあります。

想像しやすい部分でいうと社会人経験の少なさ、実生活上の面では資金の確保などが課題として浮かび上がりました。

①転職市場で評価される実績が乏しい

新卒一年目の転職活動でネックとなるのが、やはり経験の少なさです。

社会人が転職する際において評価されるのはポテンシャルではなく、会社に対してどのように貢献してきたかの実績です。

MRであれば営業の側面が強いため、具体的な数値を求められます。

(転職市場でMRに求められる実績の例)

  • 基幹病院で製品の新規採用により売上〇〇%up
  • 追補品の販売実績(目標進捗率)全国〇〇位
  • 地域を巻き込む規模の講演会を主催・成功させた

初年度はMR認定試験合格に向けた学習の時間が多く、当然ながら上記のような顕著な実績はありません。

履歴書や職務経歴書に記述できる内容が軽薄となりがちで、経験豊富な社会人と比してアピールする要素が弱くなってしまいます。

 
早期転職を考えているのであれば、まずは数字を意識して業績を挙げよう!

②早期転職の履歴が生涯残ってしまう

終身雇用の時代が終わったとは言え、日本の市場において転職回数の多さはマイナスのイメージに繋がってしまいます。

早期転職をしてその職場で生涯勤める場合は問題ありません。

しかし、次も転職しようとなった際にそれは3回目の転職になることを意味します。

より高待遇を目指して転職するのが当たり前とする海外や一部の外資系企業を除いて、転職回数が多いことで「うちの会社でもすぐ辞めてしまわないか?」と面接官に不安を与えてしまいます。

 
「嫌だったら辞めよう」と安易に考えるのは危険だね。

特に若手の期間は職を選ばなければ転職しやすいこともあるので、早期転職の際はよく検討してから行動しましょう。

③引越しに伴う金銭的負担が大きい

引越しには金銭的な負担が伴います。

会社によっては転職先が負担してくれる場合もありますが、多くは自己負担となってしまいます。

 

社会人1年目で引越し費用の捻出は厳しいかも…

学生時代から計画的に貯金をできていれば問題ありませんが、引越しには多額のお金が掛かるので、生活が一時的に厳しくなってしまう可能性があります。

また、仮に転職できたとしても給料が振り込まれるのは早くて約1ヶ月後です。

それまでの生活資金を確保できるのかを含めて、転職時期は慎重に検討する必要があります。

 
同期のA君は転職先企業から50万円の補助があったよ。

MR向けおすすめの転職方法

早期転職のメリット・デメリットについて見てきました。

私自身も転職活動をする中で、「新卒一年目での転職活動は難しい」と感じる場面が多々ありました。

本章では、それでも転職先してMRあるいは医療関係で働きたい方向けにおすすめの転職方法を紹介します。

 
現実的な話をしていくよ〜
製薬企業の中でも超一流企業に勤めていれば比較的容易に転職先が見つかるかもしれません。しかし、中小規模の製薬会社に勤めるMRにとって現実は厳しいものです。
結論、おすすめの転職方法はCSO会社に社員紹介で入社することです。
転職エージェントを経由する方法もありますが、内定をもらうまでに時間が掛かる、内定後に給料から手数料が差し引かれるなどのデメリットが挙げられます。
 
A君もこの方法で転職活動を成功させたよ。
メーカー専属からコントラクトMRに転職することに対しては否定的は意見も多くあります。
しかし、現在の企業に残留することと転職した場合を比較考慮し、自分にとってメリットの方が大きいと感じるのであれば私は肯定的な意見です。
 
社員の方とはSNSを通じて簡単に繋がれたよ。
今回は具体的な転職活動の内容までは割愛させていただきますが、次回以降の記事で詳しく取り上げていく予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました!