私は大学を卒業するまでに1年間の留年を経験しています。
就活はその後の人生に大きな影響を与える大きな転換点になることは間違いありません。。
今回の記事では、留年した私が実践した就活との向き合い方をお伝えします。留年が決定してしまった方は本記事を参考にしていただき、また励みになるメッセージを送りたいと思います。
留年が確定してまず初めにやるべきこと
理由はどうあれ留年が確定してしまったら避けては通れない問題が発生します。
具体的には以下のことが該当します。
- 留年したことを両親に伝える
- 就職先に連絡して指示を仰ぐ
- その後一年間の計画を立て直す
ここからは、①〜③について当時の様子を交えながら簡単に紹介していきます。
留年したことを両親に伝える
留年したことをまず両親に伝えなければなりません。
入学金や授業料を支払ってくれていたので、留年は私個人の問題では済まされません。
その後どうするかは別として、状況を整理する時間を設けるためにもできるだけ早期に報告しましょう。先延ばしにしたとろで好転することはありません。
俺、何回か課題を提出しなかったから留年するかも。そのことを親に伝えられないでいる。っていうか、高校までと違い過ぎじゃね?#大学#留年
— wata (@LWBwpslb22joUdn) June 9, 2022
私の場合、単位不足で事前に留年する可能性があることを伝えていたので両親に驚いた様子はありませんでした。留年して卒業を目指したいこと、学費を援助してほしい旨を両親に相談しました。
怒られてしまうと不安になりますが、病気など特殊な理由を除けば自己責任です。潔く自分の努力不足を認め、謝罪の言葉とともに留年の事実を伝えましょう。
就職先に連絡して指示を仰ぐ
両親に留年することを伝えたら就職先の企業にも連絡しましょう。
まずは言い訳をせず、留年の事実と簡単な経緯を説明します。内定を取り消すのか、卒業するまで待ってもらえるのか、それは企業側の裁量権です。
卒論を無事提出したものの般教の2単位を落として留年し、内定取消しになった後輩 #卒論トラブル
— すしむら (@suciology) November 2, 2017
採用活動には莫大な費用と時間が割かれています。そのため、予定していた時期から働けないことは企業にとって大きな損失です。
私の友人も大学四年次に留年しましたが、企業は卒業まで内定を保留してくれたようです。一方、理由は次の章で説明しますが、私は内定を辞退しました。
留年することが分かったらすぐに企業の担当者に連絡し、指示を仰ぎましょう。
その後一年間の計画を立て直す
留年の事実を受け止めたら、その後の対応をすぐに決めなければなりません。
具体的な選択肢としては以下のつが挙げられます。
- 大学を中退して就職する
- 休学して将来についてゆっくり考える
- 留年して卒業を目指す
大学を中退すると最終学歴は高卒になってしまいます。
今の時代、大卒でないと就職できる職種は限られており、生涯賃金が高卒と大卒とで大きく異なるデータもあります。受験して入学したからには中退するのは勿体無いと思います。
もう一つの選択肢で最も現実的なのは、留年して単位取得のために勉強することです。
学費は掛かってしまいますが、それでも大卒資格を得る価値は就職先や生涯賃金などの理由からあると思います。また、中退するとそれまでの学費が無駄になってしまいます。
現役時代に納得のいく内定がなかったため、私は留年して再び就活しながら卒業することを選びました。
留年確定後、就活までに準備しておくべきこと6選
留年が決まって落ち込んでいる暇はありません。
私の場合、四年生の3月に留年することが判明しました。就活解禁まで一ヶ月もなく、就活対策をする十分な時間がありませんでした。
そのなかで私が実際に行った就活対策は以下の通りです。
・留年後、就活までに準備すべきこと
- 自己分析を行う
- エントリーシートの書き方を学ぶ
- 面接対策と練習を行う
- 志望業界をある程度絞る
- 業界研究、企業研究をする
- 資格を取得する
一見どれも現役時代の就活対策と変わりませんが、留年中の就活で重要なのは「短時間でいかに効率的に対策するか」です。
次の章からは私が活用した書籍やサービスとともに紹介していきます。
自己分析を行う
留年する前も自己分析は行なっていると思います。
しかし、留年することで状況は大きく変わります。留年してしまった原因、将来の目標などを再度設定し直さなければなりません。
自己分析というと、過去から現在の自分がどのような思考を持った人物かに焦点を当てがちですが、将来に目を向けることが大切です。一年間も経てば希望する業界や職種が変わっている可能性もあります。
ただし、自己分析を細かく行おうとすると膨大な時間が掛かります。そこで、私が活用した書籍がこちらです。
直接書き込めるワークシートがたくさんあり、本を読み進めていくと同時に自己分析を行えます。
また、最終的には「会社を活用してどのように生活したいか」という問いに誘導してくれるので、長期的な視点での目標設定をできることが本書の魅力です。
分量的に読みやすいこと、多くのワークシートで効率的に要点を押さえられる本書は短期対策におすすめです。
自己分析ができていない就活生が多いです。自分が卒業した後どんな人間になりたいのか、それが就活であり、今までの生き方を棚卸するのが自己分析です。個人的には絶対内定をとりあえず真剣にやってみる。これが棚卸に最も効果的だと思っています。 https://t.co/NesHwRqELp
— 【公式】就活ヘルパー@就活無料サポート (@shukatsu_helpin) June 7, 2022
エントリーシートの書き方を学ぶ
どんなに志望度が高くてもエントリーシート(以下、ES)が通過しないと面接にすら臨めません。
多くの就活本が出版されていますが、自己分析と並んで複数の書籍を隈なく読んでいる時間的余裕はありません。最も手っ取り早いのは、自分が志望する企業の内定者のESを参考にすることです。
非常に参考にはなりますが、コピペをするのではなく、自分自身の想いや体験を書かなくてはなりません。あくまでも参照しつつオリジナル性を意識したESを書く意識を持ちましょう。
ESに書くのは「〇〇全国一位」などではなく、小さなことでも構いません。
(ESに記載するガクチカの例)
- アルバイト先でリーダーを任された
- 家庭教師で担当した生徒が志望校に合格した
- バイクで日本一周を達成した
- ゼミの発表で優秀賞に選ばれた
- 趣味の料理を極めて人に教えた
大切なのは何をしたかではなく、それを通してどのようなことを感じ、社会人になってから活かしていくかです。
要するにアピールの仕方が大切なのです。
ここまで説明してきた点を踏まえて私が実際に書いたESを公開します。
これは医療機器メーカーのESです。
志望理由は企業ごとに異なりますが、「学生時代に最も力を入れて取り組んだこと」などはどの企業でも同じように回答できます。
典型的な質問に対してをある程度回答の雛形を作成しておくと作業が楽になります。
その方法は次の章で紹介します。
面接対策と練習を行う
7〜8割程度の割合で、面接中に留年した理由を聞かれることが度々ありました。
留年してしまった事実を変えることはできません。言い訳をせずに理由をきちんとの述べ、「就職後に同じような失敗を繰り返さないためにどんな対策をするか」を面接でしっかり答えられるようにしましょう。
私の場合、留年した大きな原因は「転学科」をしたことです。
人によって理由は様々ですが、私は面接中に理由を聞かれた際は次のように受け答えしていました。
留年した原因は転学科したことによる単位不足です。転学科する際に留年は予見できていましたが、実際に両親にも迷惑を掛ける結果になってしまいました。そのことを反省しつつ、現在は卒業に向けた勉強と就活に全力で取り組んでいます。
また、聞かれる頻度の高い質問に対する回答を用意しておくことも大切です。
私は頻出質問とその解答例をWordで作成し、ある程度は伝えたいことを覚えておきました。
回答を毎回その場で考えるのは至難の業です。
暗記する必要はありませんが、自分の中で対応パターンができると面接に自信を持って臨めるようになります。
一人暮らしをしている方は、面接練習を引き受けてくれる相手を探すのに一苦労です。
しかし、今の時代ネットで検索すれば必要な情報やツールはいくらでもあります。私はYouTubeの動画を視聴して面接対策をしていました。
URL:【新卒 / 模擬面接】オンライン面接シミュレーション ※概要欄必読【22卒】
企業で採用担当を経験されていた「さも」さんが一問一答の形で質問をする形式です。質問ごとにチャプターが分かれているので利用しやすさ抜群です。
質問内容は実際の面接でもよく聞かれるものばかりで、対策として非常に有効でした。
私が就活をしていた頃は新型コロナの影響でオンライン面接が中心でした。質問の質が非常に高いので、対面形式の面接練習としても十分に効果を発揮します。
ただし、面接の回答を丸暗記して話すことは止めましょう。想定外の質問が出た際に答えに窮することになります。
志望業界をある程度絞る
就活において、業界を絞らずに手当たり次第に選考を受けるやり方は得策とは言えません。
業界ごとに求められる素質は異なります。
(求められる素質の例)
- 製薬業界 → 法令を遵守できる真面目な性格の人
- 医療機器業界 → 生命関連製品を扱う責任感が強い人
- 卸売業界 → 人と接する能力が高い人
ESの作成、面接対策の段階から、企業側が求める人材像に合わせた内容を考える必要があります。
上記の例はあくまでも一部ですが、業界によって特に必要とされる能力は異なります。
的を絞らずに多業界の選考を受けてしまうと、一つ一つ丁寧に調べる時間がなくなり、全体像が見えにくくなってしまう可能性が高いです。また、選考数が多くなるとスケジュール管理も大変です。
自己分析を踏まえて業界をある程度絞り、就職したい業界に特化した対策をしましょう。そうすることで無駄なく効率的に必要な知識が得られます。
(志望動機と合致する業界の例)
- 食品業界 → 食を通して社会に幸せを提供したい
- 製造業 → 自分が関わった製品が役立っているのを実感したい
- 生物関連業界 → 人命を救助することにやりがいを感じる
- 不動産業界 → 安心した生活環境を提供したい
- IT業界 → 最先端のIT技術に携わって社会を発展させたい
私は「自分の携わった製品が有体物として認識できる業界」に就きたいと考えていました。そのため、「医薬品」と「医療機器」を中心にメーカーの選考を受けることにしました。
二つの業界は「医療」という共通点があります。
共通点を就活の軸にすることで、自分の達成したい想いが明確に描け、就活を進めやすくなります。
業界研究、企業研究をする
志望業界をある程度絞ったら、業界研究と企業研究に移ります。
ここでも留年の影響で対策時間に余裕がないので、いかに早く必要で的確な情報を集められるかがカギになります。
これまで見てきた自己分析、ES、面接対策関連と同様にたくさんの書籍が販売されています。しかし、最も現場に近い声を聞けるのは実際に勤務している方の口コミです。
私は【Openworks】というアプリを利用していました。
上記は「楽天グループ」を検索したときの一例です。
社員の方の率直な意見が書かれており、現場の雰囲気や環境についてイメージを膨らますことができます。
【Openworks】の社員口コミで確認できる項目には次のものがあります。
(社員口コミで確認できる項目)
- 組織体制・企業文化
- 働きがい・成長
- ワーク・ライフ
- 強み・弱み・展望
- 入社理由とギャップ
- 女性の働きやすさ
- 退職検討理由
- 経営者への提言
自分が知りたいと思う情報を選択し、志望動機を固めたり面接対策に活用しましょう。
本サービスは無料で利用することができるので、経済的にも大変助かりました。
資格を取得する
最後に紹介する資格は最終的な手段として捉えてください。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)で特に言えることがなく、留年を補える要素が見当たらない方は資格の取得を目指しましょう。
自分の怠惰が原因で留年してしまったとしても、資格を取得すれば心を入れ替えて頑張っていたことを証明できます。しかし、どのような資格でもいいわけではなく、周りと差別化できるものでなくてはなりません。
私がおすすめするのはTOEIC一択です。
私は在学中に複数の資格を取得し、履歴書に全て書き込みましたが、面接で深堀て聞かれたのはTOEICだけでした。
(私が取得した資格一覧)
- 普通自動車第一種運転免許
- TOEIC公開テスト715点取得
- 日本漢字能力検定準1級
- 秘書技能検定2級
- ニュース時事能力検定2級
- 日商簿記検定試験3級
- ファイナンシャル・プランニング技能検定士3級
- くるまマイスター検定3級
- ドイツ語技能検定試験4級
留年期間中、大学の講義、就活、アルバイト、資格勉強の両立は時間的に困難です。
TOEICであれば試験が一年間に10回実施されているので、自分の好きなタイミングで受験することができます。
まずは600点を目指し、達成したら満点を最終目標にして継続しましょう。
仮に就活までに間に合わなくても、「入社までにTOEIC〇〇点取得を目指して勉強しています」と伝えれば、多少なりとも評価してもらえる可能性があります。
私が「留年」というハンデを乗り越えられた理由
私が留年というハンデを乗り越えて製薬会社に就職できた要因は次のことが挙げられます。
- 留年が確定してすぐに就活対策をした
- 両親に金銭的な援助をしてもらった
- 自分をしっかり見つめ直すことができた
- 短期間で効率的に必要な情報を収集できた
- 留年したことをプラス要素に転換できた
それぞれの要因について、当時のことを振り返りながら詳しくみていきます。
留年が確定してすぐに就活対策をした
「善は急げ」という諺があるように、就活対策をすぐに始めたことは大きなポイントです。
特に私の場合、留年が確定したのが卒業間近の3月です。
就活解禁の4月まで一ヶ月となく、ただでさえ準備を始めるには遅すぎるくらいの時期です。
前章までで紹介してきた就活対策を始めるにあたり、留年が確定したその当日に自己分析本を購入して各種のサービスにも登録しました。内容は先述した通りです。
時間的余裕がないという認識をしっかり持ち、すぐにでも行動に移しましょう。
両親に金銭的な援助をしてもらった
先に要点を述べておくと、金銭的支援を受けたおかげで就活に費やせる時間が増えたことがポイントです。
私は大学進学とともに上京して一人暮らしをしていました。
現役時代は両親が家賃を負担してくれていましたが、留年する交換条件として家賃全額をアルバイト代から支払うことになりました。
当時住んでいたのが家賃7万円のアパートで、時給1,200円のアルバイトの場合月60時間は家賃に消える計算です。
アルバイトをしながら大学の勉強、就活を両立させるのは体力的・時間的にかなりシビアで、睡眠時間が長くて4〜5時間しか取れませんでした。
長期的にこの生活を続けるのは無理だと判断し、就活が終わるまでは家賃の半額を援助してもらえないかと両親に打診しました。その結果、両親は奨学金の代わりとして月に数万円を支援してくれました。
皆さんの場合も学費や家賃を自分で支払うことは難しいと思います。
困ったときは両親や信頼できる人に相談し、必要に応じて援助を求めることが大切です。
自分をしっかり見つめ直すことができた
留年してしまった原因とその後の目標設定を再度設定し、一度立ち止まって人生を見つめ直す契機になりました。
質の高い書籍と出会って自己分析をしたことで、仕事を通してなりたい姿を描けました。
私は社会的信用度が比較的高いサラリーマンとして勤務しながら、副業や投資で資産運用を行い、温かい家庭を築きたいという結論に至りました。
(将来像の例)
- 都会に住みながらバリバリ働きたい
- 田舎でのんびりと仕事をしながら暮らしたい
- 全国を転々としながら働きたい
- 自分の好きな時間・場所で仕事をしたい
- 家庭を優先して勤務時間を短くしたい
自己分析は適職を探し当てるためだけのものではありません。
仕事面で詳細な将来像を描くことは困難です。しかし、40歳頃にどのような仕事、環境、家庭で生活していたいかを想像することは手軽にできます。
まずは堅苦しく考えず、自分の将来を楽しく明るい方向で考えてみましょう。
やりたいことをノートに書き出してみよう〜
短時間で必要な情報を収集できた
時間的な余裕がないからこそ、効率的に就活を進めることに注力しました。
ESは書き方について本を読むのではなく、内定者の文章を参考にしながら作成しました。企業研究は勤務している方の口コミを確認し、企業の雰囲気や働き方を把握ていました。
既に紹介しましたが、効率的に情報を収集できたツールをおさらいしておきます。
(情報収集のツール例)
- 『絶対内定』シリーズで自己分析
- 内定者のESを参考にする
- 面接対策・練習にYouTubeを活用する
- 勤務者の口コミを参考にする
あれこれと手を出すのではなく、自分のやり方に合った方法を極めて対策を行いましょう。
参考集と同じで多くの情報に触れたいと思ってしまいがちですが、先ほど述べた通り時間は有限です。「二兎を追うものは一兎を得ず」と心得ておきましょう。
留年したことをプラス要素に転換できた
私は留年したことをプラスに捉えました。
留年することでもう一年間学生として過ごせるので、勉強や就活をやり直すチャンスだと考えました。
面接で留年した理由を聞かれることがありましたが、回答で相手を納得させられればマイナス評価に繋がることはありません。留年してしまっとことへの反省をまず述べ、今後の対策と展望を述べましょう。
他の就活生とは角度の違ったアプローチでガクチカを考え流ことも可能です。
留年が決定してしまったことに対するショックは大きいでしょう。
今振り返ると、その苦しい期間があったからこそ今の自分が存在し、勉強や就活に手を抜かず頑張って本当によかったと思います。
気持ちの整理をすると同時に就活に向けて早速動き出しましょう。
やり方次第では留年が就活で不利になることはない
留年なんてしたって大丈夫です🙆♂️
人生一度や二度の失敗なんてみんな経験しています。大事なのはその経験を踏まえて自分がどう成長したかです。高専生は「ひくてあまた」ですから、ちょっとES対策、ES対策、面接対策すれば就職面接絶対受かります。
— 高専就活 (@kosen_syukatsu) June 9, 2022
留年後の就活を経験した私からのメッセージ
就活に精通したUtsuさんによる最終面接直前の応援メッセージです。Utsuさんは就活関連の動画を多くアップしており、この動画の他にも大変お世話になりました。
自分が置かれている状況を整理し、次のステップに向けて計画的に行動しましょう。
留年した経験はあなたを大きく成長させてくれるチャンスです。
最後まで諦めずに就活をやり抜き、あなたが清々しい気持ちで卒業式を迎えられるように応援しています!