公務員試験(事務職)を目指すのに有利な学部選び|実際に合格した立場から学生時代に勉強しておいてよかった科目についてご紹介

2024年の夏頃、公務員試験を受験していた私は第一志望の期間から内定をいただくことができました。

大学を卒業してからの受験であったため多くの学び直しも必要でした。

今回の記事では、「公務員試験の受験を考えているけど、大学の学部選びに困っている」という高校生に役立つような記事を書いていこうと思います。

 
最終的には自分の興味で学部を選んでね!

教養の数学は「中学受験」経験者が有利

多くの公務員試験では、教養試験と専門試験に分かれています。

教養試験は大別すると、文章理解、判断推理・数的処理、資料解釈と人文・自然科学で構成されています。

国家総合職はややレベルが高いですが、その他の自治体・機関では出題傾向に違いがあれど基本的な考え方は共通点が多いです。

 
簡単に言い換えると国語、数学、理科と地歴公民だよ〜
(実際に解いた問題のメモ)
著作権の関係で残念ながら問題は掲載できませんが、中学受験の経験者に大きなアドバンテージがあると感じました。
しかし、逆を言うと高校生以上に求められる難しい知識は不要ということです。
中学までの知識がすべてベースになっているので、数学が苦手な方は中学範囲の見直しをしましょう。

 

公務員試験に活かせる高校レベルの科目

高校生の知識がそのまま公務員試験に行かせる科目もあります。

  1. 英語
  2. 数学(確率、数列、三角比など)
  3. 人文・自然科学

1.英語

英語は教養試験の文章理解として出題されます。

試験全体の中で配点比率が比較高めで、得点のしやすい科目でもあります。

 
時間配分には十分気をつける必要があるよ

そこまで難易度の高い読解問題ではなく、基礎的な英語力があれば十分に対応できる範囲です。

しばらく英語学習から離れてしまっている場合、まずは頻出する単語の見直しから始めることをおすすめします。

出典:旺文社『英単語ターゲット1900』

 
単語帳はこれ一冊で十分だったよ!

ある程度問題が解けるようになったら、学力を維持するために毎日一問でも問題に触れるようにしましょう。

 

2.数学(確率、数列、三角比など)

中学範囲の数学がしっかりできていれば戦えますが、裏技として知っていると便利な公式はいくつか存在します。

代表的なものとしては、確率、数列、三角比などが挙げられます。

 
チェバ・メネラウスの定理は覚えておくと便利だよ

もちろん公式を知らなくても問題を解くことはできますが、回答時間を短縮することで他の問題に時間を割く余裕ができます。

まずは基本的な解き方をマスターしてから、余力があれば便利な公式を覚えるよう意識しましょう。

Instagramなどでまとめられているものを保存して活用していました。

 
 
 
 
 
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たくみ|1日1分で学べる公務員試験対策(@takumi_syukatsu)がシェアした投稿

すべての問題に対応するのは難しいので、私は「確率・場合の数」を捨て分野にしていました。

一つの分野くらいであれば諦めることも選択肢に入りますが、全体的に苦手という方は戦略的な学習が必要です。

 

高校数学の中で微分計算だけはできるようにしよう!

3.人文・自然科学

最近や知識単体で問う機関・自治体は減少傾向で、時事と絡めて出題されることが多い分野です。

対策としては、各科目の内容を勉強するというより新聞やニュースに日頃から目を通すことが大切です。

 
最近は出題傾向が変更されているところが多いからチェックしよう

ただし、特別区都庁を本命に受験を考えている方は、ある程度これらの科目に勉強時間を割く必要があります。

各科目が独立した分野として出題されており、知識があるかないかだけで大きな差となるポイントだからです。

 
知識があるだけで数秒で解ける問題もあるよ!

ここでも満遍なく勉強するのではなく、天体(地学)、気候区分(地理)、ボイル・シャルルの法則(化学)、電気抵抗(物理)、ホルモン(生物)のように、頻出論点だけ優先的に押さえるようにしましょう。

 

大学で勉強しておいて良かった科目

私が公務員試験を受験するにあたって、大学で勉強しておいて良かったと感じた科目は以下の通りです。

  1. 憲法
  2. 民法
  3. 政治学

1.憲法

憲法はほとんどの公務員試験で科される科目であり、他の法律科目を学習する際の基礎部分になります。

条文数が少なくほとんどが判例問題なので、専門試験の中で得点しやすい科目の筆頭候補です。

 
憲法の条文は103条までだよ〜
(使用していたノートの一部)

難易度的に他の受験生と差がつきにくい部分なので、最終的には全問正解するくらいの気持ちで丁寧に学習しましょう。

専門試験対策がそのまま論文記述にも活かせるので、しっかりと勉強しておいて損はありません。

 

2.民法

民法は条文数が多いことに加えて判例が非常に多いので、単なる暗記だけでは太刀打ちできない難しい科目です。

私は大学で民法を一通り履修していましたが、学び直しに多くの時間が必要でした。

 
民法に苦手意識を持っている受験生は多いみたいだね〜
日本国憲法は現時点で一度も変更されたことはありませんが、民法は割と頻繁に法改正が行われています。

学習してから数年経過すると、条文や解釈の細かい部分が変更されていることが少なくありません。

 

改正された直後に出題されることは少ないよ

なかなか骨の折れる科目でしたが、最終的には得点源とすることができようにまでなりました。

初学者がつまずきやすい科目なので、大学時代に勉強しておいて良かったと感じました。

 

3.政治学

政治学、社会学、行政学に関しては暗記科目です。

各科目で重複している部分が多いので、短期間で集中して取り組むと知識を補完しながら学習を進められます。

 

M.ウェーバーは超頻出の代表格だよ

高度な知識が求められているわけではありませんが、一度名前を聞いたことがあると記憶の定着が圧倒的に早いです。

学生時代に政治学など履修していたので、聞き覚えのある人物や単語がたくさんありました。

 

得点しやすい分野なので、早めに仕上げて他の科目に勉強時間を充てましょう。

一度学習したことを忘れないように、定期的にテキストを見直したり問題を解くように意識しましょう。
 

大学時代に勉強せず苦労した科目

先ほどと反対に、初学のため苦労した科目は以下の通りです。

  1. ミクロ・マクロ経済学
  2. 財政学・会計学

ミクロ・マクロ経済学

経済学はほとんどの公務員試験で出題されており、きちんと勉強していれば得点しやすい科目です。

しかし、私のように初学者の場合は理解するまでに時間が掛かったり、なかなか問題が解けなかったりと苦労を強いられるでしょう。
(実際に使用していたノートの一部)
経済学部に所属していなくても、将来的に公務員試験の受験を見据えているのであれば履修することをおすすめします。
大学で学習するレベルまでは求められませんが、聞き慣れない用語のオンパレードです。
 

財政学・会計学

この二つの科目は出題がなかったり、選択せずに済む自治体が多いです。

しかし、国税専門官を第一志望とする方は一通り勉強しておいた方が無難です。

 

国税では会計学が必須回答科目だよ

地方公務員試験においては重要性が低いため、戦略的に捨て科目にすることも視野に入ります。

重要な論点は限られているので、勉強するとしても的を絞って学習できます。

 

【結論】悩んでいたら法学部がおすすめ

もちろん学部選びは自分の興味や将来やりたいことを考慮して決めるべきです。

そのことを前提に、公務員試験の受験を考えていて学部選びに悩んでいる方に対しては、法学部をおすすめします。

 

筆者は法学部出身だよ〜

理由として、以下のものが挙げられます。

(法学部をおすすめする理由)

  1. 法律科目はほとんどの公務員試験で必須
  2. 論文記述の科目として使える
  3. 初学者は習得に時間が掛かる

憲法、民法、行政法は多くの試験で課されており、3科目合わせるとそこそこの比率を占めます。

特に民法は初学者が苦しめられる科目だと思うので、学生時代に勉強しておくと大きなアドバンテージになるでしょう。

 

一度勉強しておくと学び直しもスムーズだよ

経済学部もおすすめできますが、科目数が少ないのと学習の労力を考えると法学部に軍配が上がると考えました。

また、筆者自身がそうであったように経済学は独学で十分に対応できるレベルです。

最後になりますが、冒頭でもお伝えしたように最終的には自分の興味・関心に従って学部選びをしましょう!

 
あくまで参考程度にしてね〜