初めての現場同行で学んだMR活動の実際|先輩の話や先生との面談で感じた新人MRに求められる能力・姿勢5選

私は2022年に大学を卒業して製薬会社にMRとして就職しました。

新型コロナウイルスの影響で先輩社員との現場同行がなかなかできない状況が続いていました。しかし、11月から担当エリアを引継ぐので10月に入ってようやく同行ができるようになりました。

本記事では、現場同行を通じて学んだ新人MRに求めらる能力や姿勢についてお話します。

 
この記事は2022年10月9日に更新されています。

新人MRに求められる能力・姿勢5選

私が先輩社員との現場同行を通して学んだことは、大別すると次の5点です。

(先輩社員との現場同行で学んだこと5選)
  1. 情報は迅速かつ的確に伝える
  2. 医療スタッフや患者様に対する気配りを忘れない
  3. お礼や謝罪はスピード感を持って行う
  4. プロモーションは他社製品の情報も把握しておく
  5. ネガティブな話の前にポジティブな話をする

上記に記載した内容に関して、次の章で一つ一つ詳しく紹介していきます。

 

情報は迅速かつ的確に伝える

患者様の対応でお忙しい医師や薬剤師に対して、情報を迅速かつ的確に伝えることは最優先事項だ改めて感じました。

特に回収品や出荷調整の案内が滞ってしまうと、最悪の場合、患者様に薬が届かない事態が発生してしまいます。

事前に情報をお伝えしていれば、他社の製品で代替したり紐付け出荷で対応することが可能です。

 
状況把握と早めの対応が重要だね!
医薬品は生命関連製品という特徴があり、誤った情報を伝えることで患者様の症状悪化に繋がったり最悪の場合は命に関わります。
同じ製品名であっても規格が異なるものがあるため、情報は正確に聞いて伝達する必要があります。
 
一度で聞き取ろうと焦らなくて大丈夫!
また、その場で分からないことは記憶で話をするのではなく、添付文書や各社ホームページなど根拠を確認してから改めて話をしましょう。
誤った情報は患者様の容体に関わるだけでなく、公正競争規約ガイドラインに抵触するおそれがあります。
医師や薬剤師の信頼を獲得するためにも、情報を迅速かつ的確に伝えることが大切です。

 

医療スタッフや患者様に対する気配りを忘れない

薬局や病院は患者様が治療目的で訪れる場所です。

薬局では患者様が多い場合は訪問を控え、先生と面談中であっても患者様が多くなれば日時を改めます。

そのような状況で先輩社員は、「患者様がいらっしゃるのでまた日を改めて訪問させていただきます」と先生に一言声を掛けて薬局を後にしていました。

 
常に周りに気を配っていてスマートな印象を受けたよ。
病院では極力階段で院内を移動し、通行の邪魔にならないように廊下では隅を歩きます。
曲がり角では人との接触に細心の注意を払います。リハビリ中や点滴をされている患者様に接触してしまうと大事故に繋がる危険性があります。
 
急いでいても一度立ち止まるくらいの注意が必要だね。
先輩社員から、底の高いハイヒールを履いてカツカツと大きな音を立てて歩いていた外資系の女性MRが院内で悪評だったと聞いたことがあります。
相手の敷地に足を踏みれている自覚を持ち、当たり前ですが院内のマナーをしっかりと守った上でMR活動をしましょう。

 

お礼や謝罪はスピード感を持って行う

新規採用のお礼や供給状況に関する謝罪はスピード感を持って迅速に行います。

自販ではなくMS経由で製品が採用された際、お礼を電話ですぐに伝えたことで薬剤師の先生との関係が深まり、案内を行いやすくなったという実例を何件か先輩から聞きました。

 

業務に追われていると忘れてしまいがちですが、たとえ些細なことでも感謝の気持ちを伝えることは常に意識しましょう。

 
お礼を言われて嬉しくない人はいないよね〜
逆にマイナスな情報もすぐに伝えなければなりません。
迷惑をお掛けしてしまった場合、すぐに謝罪をするのと時間が経ってから回顧録のように謝罪をされるのでは印象が異なります。
また、一つ目にお伝えしたようにタイムラグが生じることで患者様にも影響が波及します。
 
誠意を持って迅速に謝罪しよう。
供給停止や出荷調整に関する案内では、現状に加えて公開可能な範囲で今後の見通しをお伝えしましょう。場合によっては他社製品への切替えが必要かもしれません。
 

プロモーションは他社製品の情報も把握しておく

私所属する製薬会社では2022年12月に追補品が発売される予定です。

自社の製品をプロモーションする際、他社の販売状況や違いを把握することを必須です。

特にジェネリック医薬品は複数社が同時に発売することが多いので、他社製品と比較した際の特徴、アピールポイントを明確にすることが大切です。何社販売するかによって薬価にも影響があります。

参照:【ジェネリック】薬局で先発医薬品が後発品に変更される仕組みを解説

ジェネリック医薬品について分かりやすく解説している動画がるので参考として掲載しておきます。

 

PTPシートや印字などの相違点を確認しよう。

実際に製品を紹介する際は、他社製品と比較したり誹謗中傷する内容の発言をしないようには十分気をつける必要があります。

ガイドラインに抵触する発言やプロモーションをしてしまった場合、モニタリングセンターに報告されてしまいます。

 

ネガティブな話の前にポジティブな話をする

最近では、ジェネリック医薬品を中心として医薬品を安定供給できていない状況が続いています。

案内をする際に、供給状況などに関するネガティブな話または追補品などポジティブな話のどちらからするか順番は重要だと思います。

 
何から話すかの順番は話法として大切だよね。

複数の先輩社員から話を聞いた私の意見としては、ポジティブな話から入るのがいいと感じました。

最初にネガティブな情報を伝えてしまうとその印象が残ってしまい、後でいくらいい内容の話をしても頭に入ってこないという事態が想定できるからです。

この場合、ネガティブな情報を後で漏れなく伝え忘れないよう時間の管理も意識しましょう。

 

現場同行で経験して印象に残っている場面

私が初めて先輩社員と現場同行をした際、特に印象に残っている場面を紹介します。

(現場同行で印象に残ってる場面)

  1. 大病院の副薬剤部長と面談
  2. 卸で追補品の紹介をさせてもらった
  3. 先輩社員が追補品の予約注文を獲得

会社や得意先の情報が特定されてしまうと各方面にご迷惑が掛かってしまうため、具体的な名称は控えさせていただきます。

 

大病院の副薬剤部長と面談

現在は新型コロナウイルスの影響で多くの病院で訪問規制がある中、この病院ではMRが自由に面談することができました。

薬剤室で副薬剤部長と先輩社員が供給状況と追補品について情報交換をしました。

大病院の薬剤室を訪れた経験は初めてだったので、緊張はしませんでしたがスケールの大きさに圧倒されました。

 
他社MRとも廊下ですれ違ったよ〜
面談の中で先生の印象的なお言葉がありました。
「供給状況のマイナスな情報ばかりでなく、医療現場で役に立つ前向きな情報提供をしてほしい」とおっしゃっていました。

医薬品は本来であれば安定供給を担保されるべきものです。
 
生命関連製品だから安定供給が前提条件だよね。
製薬業界の現在を問題視している現場ならではの生の声を聞ける貴重な経験でした。
一MRだけで解決できる問題ではありませんが、現場では迅速に情報提供をしなければならないと改めて決意しました。

 

卸で追補品の紹介をさせてもらった

先輩社員とデポに同行した際、担当エリア外ではありますが追補品の案内練習をしていただきました。

本社研修のロープレで練習したときと異なり、短い時間の中で伝えたいことを絞って話すことを意識しました。

 
MSさんにアドバイスいただいたことを共有するよ〜

(卸で製品紹介する際に意識すること)

  1. 他社の発売予定状況を確認する
  2. 自社製品の強みをアピールする
  3. 先発名と一般名を両方覚えておく

忙しい中ご厚意で練習に付き合っていただき、アドバイスまでいただけて大変勉強になりました。

医師や薬剤師の方相手でも同様のことが言えますが、一般名ではなく先発名で薬剤を覚えている方が大半です。

製品紹介する際、後発品メーカーの方でも先発名と販売会社は必ず把握するようにしましょう。

 

お付き合いいただいたMSさんありがとう!

先輩社員が追補品の予約注文を獲得

ある病院で実施予定の説明会準備のため先輩社員が事前確認のために訪問しました。

その際、追補品の案内をした際に予約注文を獲得していました。

製品が採用されるのを初めて目の前で見せていただけ、自分も現場で同じように早く新規獲得をしたいと決意を新たにしました。

 
先輩社員がいつも以上に格好良く見えたよ!
本社の研修では細いところまで製品について紹介する前提でロープレをしましたが、実際の現場では資料を用いて要点だけを端的に話している点が印象的でギャップを感じました。
プロモーションの方法は人によって手法が異なるので、自分に合ったやり方を見つけて先生と面談できればと思います。
 

今後目指していきたいMR像

先輩社員と初めて同行させていただき、私は以下のことをできるMRを目指したいと思いました。

(私が目指したいMR像)

  1. 報連相がしっかりとできるMR
  2. お礼・謝罪をすぐに伝えられるMR
  3. 常に勉強して質の高い情報提供ができるMR

上記のことはMRに限らず社会人であれば当然求められる姿です。

しかし、右も左も分からない新人の期間は目の前のことで精一杯で、多くのことを忘れてしまいがちです。

MRとして必要な医学的な知識を習得するだけでなく、面談時や院内でのマナーも抜かりなく身に付けていきたいです。

 
最後まで読んでくれてありがとう!